フォルクスワーゲンUp! 生産終了、12年の歴史に幕 後継車は「ID.1」として登場か

公開 : 2023.10.11 06:05

・フォルクスワーゲンの最小モデル、Up!の生産終了が明らかに。
・2011年に発売されたAセグメントハッチバック。EVも導入された。
・後継車としてEVの「ID.1」が導入される計画も。

VWの最小モデル、生産終了

フォルクスワーゲンは、小型ハッチバックのUp!の生産を終了した。発売から12年を経て幕を下ろし、今後はポロが同社のラインナップで最小のモデルとなる。

今回、スロバキアのブラチスラバにあるフォルクスワーゲン・グループの工場で、最後の1台が出荷されたことがAUTOCARの取材で明らかになった。

フォルクスワーゲンUp!
フォルクスワーゲンUp!

Up!はフォルクスワーゲン・フォックスの後継車として2011年に発売されたAセグメント車。英国での販売価格は当初8256ポンド(約150万円)で、最も安価な乗用車の1つだったが、その後1万5000ポンド(約270万円)以上に上昇した。

12年の生産期間中、さまざまなパワートレインが搭載されてきた。発売当初は、最高出力60psまたは75psを発生する1.0L 3気筒ガソリンエンジンを設定。2016年のフェイスリフトでは、90psのターボチャージャー付きモデルが導入され、パワーアップが図られた。

EVのe-Up!は2014年に登場し、18.7kWhバッテリーで航続距離は134kmと謳われた。2019年からは32.2kWhの大型バッテリーが導入され、航続距離は256kmに伸び、ミニ・エレクトリック(クーパーE)やホンダeといった新しいライバルを上回った。

生産終了に先立ち、スポーティモデルのUp! GTIの販売が今年1月に終了している。GTIは最高出力115ps、スポーティなデザイン、6速MTを搭載して2018年に登場した。フォルクスワーゲンは当時、これは需要が供給を上回ったことによる一時的なものだとしたが、販売が再開されることはなかった。

Up!は、フォルクスワーゲン・グループのニュー・スモール・ファミリー(NSF)車シリーズの1つで、兄弟ブランドのセアト・ミーは2020年まで、スコダシティーゴは2021年まで販売された。

現在、フォルクスワーゲンが販売する最小のモデルはポロとなった。しかし昨年、CEOのトーマス・シェーファー氏は、ユーロ7排出ガス規制のためにポロが数年以内にラインナップから外される可能性を示唆しており、最終的にはEVのID.2に取って代わられる可能性がある。

Up!の後継車として、「ID.1」と呼ばれる小型EVが今後5年以内に導入される見込みである。価格は1万7000ポンド(約310万円)以下となるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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