プジョー208 GTi
公開 : 2013.07.28 19:26
これはこれでGTiのキャラクターにマッチした特性ながら、レスポンスの点では今ひとつダイレクト感に欠けるというのが正直なところだ。とはいえ、ひとたびターボトルクが立ち上がってからの加速Gは、タイトな峠道では手に余る。といって暴れるわけではないところはシャシー性能の進化だ。
一方のハンドリングは、もはや205GTiといえども比較対象外で、208GTiは次元が違う。ボディ構造や素材による曲げ捻れなど、強度や剛性の違いは明白だ。ひと言でいえば意図したとおり、いや若干それ以上に曲がり、止まり、リヤは安定する。
そこに路面の凹凸による細かな入力は混じるものの、突っ張った硬さのないスプリングとダンパーで乗り味は良好にまとまる。205/45R17のタイヤのグリップ力も応答性には大いに関係するが、ステアリングの中立域に、轍の影響を受けない懐の広い安定性があるところは注目に値する。ただ、ステア操作を速めると応答性が舵角以上に過敏になる領域もあるため、操舵をスムーズに開始する必要はある。とはいえ、そこがGTiなのだ。“XY”(GTから名称変更)とのキャラクターの違いもそこにある。
右ハンドル化を含む操作系の配置と完成度の高さも208GTiの美点だ。A/B/Cの3ペダルは運転席に対して適正な位置にあり、シフトダウン時のヒール&トウでは足首を思い切り捻るかトウ&トウにせざるを得なかった205GTiの不自然さが見事に改善され、通常のヒール&トゥが難なく決まる。また、ステアリングはチルト&テレスコピックの量に余裕があり、205世代のアップライトなドラポジだけでなく、スポーティな低い姿勢をも可能にする調整幅の広さを208シリーズは提供する。
現代に蘇ったGTiは、時代に即したあらゆる性能を踏まえている。3ドアのM/Tが許される環境であろうとなかろうと、味見する価値は大いにある。
(文・桂伸一 写真・花村英典)
プジョー208 GTi
| 価格 | 299.0万円 |
| 0-100km/h | 6.8秒 |
| 最高速度 | 230km/h |
| 燃費 | 16.9km/ℓ |
| CO₂排出量 | 139g/km |
| 車両重量 | 1200kg |
| エンジン形式 | 直4DOHCターボ, 1598cc |
| エンジン配置 | フロント横置き |
| 駆動方式 | 前輪駆動 |
| 最高出力 | 200ps/6000rpm |
| 最大最大トルク | 28.0kg-m/1700rpm |
| 馬力荷重比 | 167ps/t |
| 比出力 | 125ps/ℓ |
| 圧縮比 | 10.5:1 |
| 変速機 | 6段M/T |
| 全長 | 3960mm |
| 全幅 | 1740mm |
| 全高 | 1470mm |
| ホイールベース | 2540mm |
| 燃料タンク容量 | 50ℓ |
| 荷室容量 | 285-1076ℓ |
| サスペンション | (前)マクファーソン・ストラット |
| (後)トーションビーム | |
| ブレーキ | (前)φ302mmVディスク |
| (後)φ249mmディスク | |
| タイヤ | 205/45R17 |



