買えばよかった… フォルクスワーゲンUp!「年末に生産終了」と公式 愛されるコンパクトカー

公開 : 2023.10.13 06:05

12年では短すぎる! 買えばよかった

たいていのクルマは天寿を全うし、相応の時期に姿を消すものだが、フォルクスワーゲンUp!には当てはまらないと思う。わたし(スティーブ・クロプリー英国編集長)は、生産終了はあまりにも早すぎると考えている。その理由は主に3つ。

第一に、タイムレスなデザインが素晴らしい。もし今日、このクルマが発売されたとしても、ショールームで強くアピールできるだろう。第二に、Up!は今まさに市場が必要としているクルマだと思う。小さくて軽くて経済的なクルマは、この厳しい時代には特に合理的だ。さらに、最新の排出ガス基準ユーロ7は、このようなクルマのコストやスペックにほとんど影響を与えないだろう。つまり、Up!は2030年代まで生き残ることができたのではないかということだ。

フォルクスワーゲンUp!
フォルクスワーゲンUp!

第三に、これは個人的な感想だが、わたしは少なくとも4種類のバージョンのUp!に乗り、いずれも並外れて良い時間を過ごすことができた。60psと75psの1.0Lガソリンバージョン(トルク曲線はほぼ同じなので、パワーは無視したほうが賢明かも)が大変気に入り、EVのe-Up!は、名前はともかく面白いクルマだった。また、GTiバージョンは驚くほど速く走った。

特に、ローマで行われた派手な発表会では、高級ホテルを次々とはしごし、このクルマがいかに完璧であるかを証明してみせた。今となっては、Up!の消滅にある程度責任を感じている。結局のところ、あれほど気に入っていたのなら、十数年も買うチャンスはあったはずだ。自分にも非があると認めざるを得ない。(スティーブ・クロプリー)

記事に関わった人々

  • ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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