これ覚えてる? 忘れられたコンセプトカー 44選 後編 発売されなかったことが悔やまれる1台も…

公開 : 2023.10.21 18:25

フォード・リフレックス(2006年)

フォードはリフレックスについて、たとえ小型車でも「大胆で、アメリカンで、革新的でありうる」ことを証明するものだと説明した。その革新性とは、2席しかないように見えるボディに3席分のスペースを確保したこと、ディーゼル・ハイブリッドのパワートレインを搭載したことなどである。

その他、ポリッシュ仕上げの20インチホイール、低ロール抵抗のミシュラン製タイヤ、シフトパドル付き6速セミAT、ソーラー駆動のエクステリアライトなどを特徴とする。

フォード・リフレックス(2006年)
フォード・リフレックス(2006年)

サーブ・エアロX(2006年)

サーブ曰く、エアロXは航空機デザインの歴史にインスパイアされたモデルである。このことはコックピットのキャノピーを持ち上げて乗員を乗降させる方式にも表れている。

バイオエタノールを燃料とするツインターボエンジンは400psを発生すると謳われ、細部のスタイリングは将来のデザイン言語を予告していた。残念なことに、エアロXの登場後、サーブは10年ももたなかったため、このような市販車は実現しなかった。

サーブ・エアロX(2006年)
サーブ・エアロX(2006年)

ダッジ・ゼオ(2008年)

未来の自動車としてEVに注目が集まり始めたころに誕生したゼオ。低く構えた4シーターのバッテリーEVで、最高速度は210km/h、0-97km/h加速は5.7秒と謳われた。

ダッジによれば、1回の充電での航続距離400kmとのことだが、3桁のスピードを出せば達成不可能だろう。

ダッジ・ゼオ(2008年)
ダッジ・ゼオ(2008年)

ブック・オブ・ソングス(2008年)

2008年のデトロイト・モーターショーに展示された3台のEVコンセプトカーは、いずれも中国文化を象徴するような親しみやすい外観をしている。中国の自動車デザイン会社、北京李氏光明汽車設計有限公司が手掛けたもの。

おそらくトリオの中で最も良い名前が付けられたブック・オブ・ソングスは、最も漫画的でもあったが、ピース・オブ・クラウドや水陸両用のデトロイト・フィッシュもなかなか愛嬌がある。どれも観光地や地方都市、大学のキャンパスや小さな町にふさわしいとされていたが、量産化プロジェクトはあまり進んでいないようだ。

ブック・オブ・ソングス(2008年)
ブック・オブ・ソングス(2008年)

メルセデス・ベンツESF 2009 安全実験車(2009年)

前述のF 100と同様に、SクラスをベースにしたESF 2009は、近い将来市販モデルに搭載されるであろう安全補助装置を世に問うた。ESFとは、「Experimental Safety Vehicle(安全実験車)」の頭文字をとったもの。

シートベルトエアバッグ、プリセーフ衝突回避、双方向車両通信、ナイトビジョンシステムなど、先進的な安全技術が投入された。

メルセデス・ベンツESF 2009 安全実験車(2009年)
メルセデス・ベンツESF 2009 安全実験車(2009年)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事