モダンクラシックとして再評価 マツダMX-5(ロードスター/NA系) 英国版中古車ガイド 最も成功したスポーツカー(2)
公開 : 2023.10.29 17:46
購入時に気をつけたいポイント
ボディとシャシー
サビが初代MX-5最大の敵。サイドシルやフロアパン、ホイールアーチ、シャシーレール、荷室フロアが主な弱点。特にサイドシルは修復が困難だ。排水ドレインをきれいに保つことが、サビを防ぐポイントとなる。
ソフトトップのカンバス生地や、プラスティック製のリアウインドウは劣化しがち。英国では1000ポンド(約18万円)程度で張替えられるが、状態の良い中古を探した方が安くリフレッシュはできる。
エンジン
意欲的に回るマツダの1.6Lツインカム・エンジンは、1.8Lユニットが投入された1994年から英国仕様ではデチューンされている。エンジンが載せ替えられていないか、書類上の番号と照らし合わせたい。
過去の整備記録を遡り、タイミングベルトと補機ベルトの交換状態を確認する。オーバーヒートの痕跡やガスケットの劣化、タペットノイズ、オイル漏れ、排気ガスに混ざる白煙にも注意したい。ラジエター内側やクーラントの状態も要確認。
トランスミッションとブレーキ
クラッチが滑っていないか、試乗で確かめたい。トランスミッションとデフ、ハブベアリングなどからの異音がないかも確認する。
リアブレーキのキャリパーは、長期間乗らないでいると固着しがち。
インテリアと電気系統
リトラクタブル・ヘッドライトやパワーウインドウ、エアコンなど、すべてが正常に動くか確かめる。シートは、サイドボルスター部分が劣化しやすい。ソフトトップが劣化すると雨水が侵入し、カーペットを湿らせる。
内装トリムの中古部品は、徐々に入手が難しくなってきている。
マツダMX-5(ユーノス・ロードスター/NA系)のまとめ
英国ではモダンクラシックとしての地位を固めたといる、初代マツダMX-5。価値が変化しても、一般道でもサーキットでも思い切り楽しめる、有能なオープンスポーツカーであることに変わりはない。
オーナー好みにモディファイされていることは一般的。ジャガーの3.0L V6エンジンを載せた例も、筆者は過去に見たことがある。とはいえ、取引価格が上昇しているのはオリジナル状態へ近い個体だろう。
ハードトップがあれば、季節を問わず乗れる。できるだけコンディションの良い1台を探し、丁寧に楽しみたい。素晴らしいカーライフを謳歌できるはず。
良いトコロ
シンプルで信頼性が高い。機能維持に必要な部品は、まだ安価に手に入る。英国にはオーナーズクラブが存在し、専門的に扱うガレージも存在する。
良くないトコロ
価値が低かった時代が長く、かなり改造されていたり、長期間放置されていた例が珍しくない。モダンクラシックとして価値は上昇していても、レストア費用の元を取れるほど高額で流通しているわけではない。
マツダMX-5(ユーノス・ロードスター/NA系/1989〜1997年/英国仕様)のスペック
英国価格:1万2995〜1万7595ポンド(1995年時)
生産数:43万1506台
全長:3990mm
全幅:1675mm
全高:1220-1230mm
最高速度:180-186km/h
0-97km/h加速:8.9-9.9秒
燃費:7.8-12.0km/L
CO2排出量:−
車両重量:950-1020kg
パワートレイン:直列4気筒1598・1839cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:90ps/6000rpm-129ps/6500rpm
最大トルク:12.8kg-m/4000rpm-15.1kg-m/5000rpm
ギアボックス:5速マニュアル/4速オートマティック(後輪駆動)