ライドシェアリングとは何か? カーシェアとの違い 米国の事情 日本の課題
公開 : 2023.10.18 11:15 更新 : 2023.10.19 22:27
・岸田首相がライドシェアリングに触れる
・そもそもライドシェアリングとは?
・米国の事情や日本の課題に触れる
注目あつめる日本版ライドシェアリング
ライドシェアリングといえば、アメリカのウーバーやリフトを筆頭に、世界各国で普及が進んでいる交通手段である。
ここへきて、日本版ライドシェアリングの議論が一気に高まってきた。
岸田首相が2023年10月20日に招集される臨時国会の所信表明で、日本版ライドシェアの検討について明らかにすると、一部報道があった。
また、大阪府の吉村知事は2023年10月17日に、大阪・関西万博を見据えて2024年から府内でライドシェア導入を準備するとの発表をしている。
その他、河野デジタル担当大臣もオンライン会見で日本版ライドシェア導入検討に対して積極的な姿勢を見せたり、また一部の市町村の首長でつくる会などでも日本版ライドシェア導入に向けた提言をしているところだ。
一方で、タクシーやハイヤーの事業者でつくる協会や団体などでは、日本版ライドシェアの早期導入に対して慎重な姿勢を見せたり、または反対の姿勢を示す場合もある。
なぜこのタイミングで日本版ライドシェアの議論が盛り上がっているのか?
また、そもそもライドシェアとはどういうもので、その「日本版」とはどういうこと指しているのか?
ライドシェアとカーシェア 違いと共通点
概念としてのライドシェアは、ライド(移動)をシェアするのだから、日本でも地方部などで普及している「乗り合いタクシー」などもライドシェアリングの仲間である。
また、国や地域によっては、日本ではカーシェアリング(カーシェアと略されることが多い)と呼んでいる分野をライドシェアと呼ぶ場合もある。
その上で、日本での、カーシェアとライドシェアの違いがわからない人もいるかもしれない。
これら2つの(日本における)最大の違いは、カーシェアは自分で運転するが、ライドシェアは乗客として乗るので自分では運転しないことだ。
だが、カーシェアとライドシェアで共通点もある。
それが、ユーザーは、スマートフォンのアプリでサービスが完結できることだ。
見方を換えると、スマートフォンというパーソナルユースの情報端末が普及したことで、
ライド(移動)をシェアする様々な手段が一気に広まったと言えるだろう。
ライドを求める需要側と、ライド用のハードウェアを持つ側を、サービス事業者がスマートフォンやパーソナルコンピューター上のアプリやソフトウエアを使って、マッチングするモデルなのである。
移動のみならず、民泊やレンタルオフィスなど、シェアリングエコノミーという概念の中にライドシェアリングが含まれる形だ。