内容はモデルチェンジに近い ポルシェ・カイエンへ試乗 エンジンとインテリアをリフレッシュ
公開 : 2023.10.27 19:05
モデル中期のアップデートを受けたカイエン 目覚ましいインテリアのリフレッシュぶり V6とV8エンジンも改良 ベースグレードを英国編集部が評価
モデルチェンジに近いアプデ内容
3代目のポルシェ・カイエンに、入念なフェイスリフトが施された。見た目の変化は限定的だが、新鮮味を保つべく、巧妙にその内容は練られたに違いない。
ポルシェは、2025年にバッテリーEVのカイエンを投入する計画を進めている。ひと回り大きい電動SUV、通称「K1」も開発中にあり、2027年の発表が予定されている。開発が長引いたバッテリーEV版のマカンは、間もなく正式にお披露目される。
従来的な内燃エンジンを搭載したSUVは、急速に需要が減じていく可能性がある。同時に、バッテリーEVに対する市場の需要も、まだ推計段階でしかない。ポルシェに限らないが、資金的にも難しい舵取りへ迫られている。
結果として、3代目カイエンはモデルライフを活用し、実益を求める必要性が生まれた。初代と2代目は約8年間生産された。現行型は2017年に発表されているが、2020年代の終りまで延命したいという考えだろう。
とはいえ、フェイスリフトでの技術的なアップデートは、広範囲に及ぶ。その内容を確認していくと、モデルチェンジへ近いと表現しても良いかもしれない。
V6とV8のエンジンは改良を受け、サスペンションも一新された。インテリアも見違えており、新しいバリエーションも投入される予定にある。
目覚ましいインテリアのリフレッシュぶり
1番のトピックといえるのが、エンジン。カイエン Sでは、これまでの2.9L V6ツインターボ・ユニットが廃盤となり、技術的な協力関係にあるアウディと開発した、改良版の4.0L V8ツインターボ、EA825ユニットへバトンタッチしている。
これにより、カイエンのV6エンジン仕様は、エントリーグレードと、カイエン E-ハイブリッドのみとなった。そのSとターボ E-ハイブリッドがV8エンジン仕様となる。
さらに、追ってカイエン・ターボとGTS、カイエン S E-ハイブリッドもアップデートを受けてショールームへ並ぶ予定。英国の販売割合でいえば、75%程をプラグイン・ハイブリッドが占めると予想されている。
今回英国編集部が試乗したのは、ベーシックなカイエン。手直しを受けた3.0L V6ターボエンジンを搭載し、スチールコイルが支えるサスペンションには、ツインバルブの新しいアダプティブダンパーが組まれる。
インテリアのリフレッシュぶりは目覚ましい。ダッシュボード周りのデザインは、バッテリーEVのタイカンを想起させる。インフォテインメント用タッチモニターが中央を飾り、ドライバーの正面にはカーブを描くメーター用モニターが据えられる。