マツダ・アテンザXD
公開 : 2013.03.26 16:30 更新 : 2017.05.29 19:13
今から2年ほど前の日本では、ディーゼルかガソリンかでクルマ選びを迷う人なんていなかった。そんな選択肢はメルセデスぐらいしか存在しなかったし、ディーゼルが欲しい人は迷わず指名買いをしていたからである。
そんな状況を一変させたのが、昨年2月に発売が開始されたマツダCX-5だった。新開発のクリーンディーゼルである「SKYACTIV-D」と、ガソリンの「SKYACTIV-G」が出揃ったのである。両者の売れ行きは、多くの人の予想を覆すように、8対2でディーゼル優勢。2012年、合計で3万5000台以上が売れたCX-5は、昨年のSUV国内販売台数において第1位を獲得したのである。
昨年11月20日に発売が開始された、都合3代目となるマツダ・アテンザは、マツダの独断場となっている日本国内ディーゼル・ガソリン対決の第2弾である。精悍でくっきりした顔立ちの新型アテンザは、CX-5の好調さを受け継ぐかたちでスタートダッシュを決め、発売開始から3ヵ月半で1万2000台もの受注を受けているという。これは月1000台という月販計画の約4倍の数字となる。そしてアテンザの場合も、販売比率は76%がディーゼルなのだとか。
CX-5とアテンザにおけるディーゼル優勢の背景には、久しく存在していなかった国産のディーゼル普通車に対する目新しさが多分に含まれているので、この比率がそのままクルマの仕上がり具合を表わしているわけではないことは明らかである。では機械的にはどちらが優れているのだろうか? そんな思いを持って鹿児島で開催された試乗会に赴いた。
アテンザには2ℓと2.5ℓの直噴ガソリンと、2.2ℓの直噴ディーゼル・ターボという3種類のエンジンが用意されているが、今回は2.5ℓガソリンの25SとディーゼルのXDの試乗車が用意されていた。鳴り物入りで登場したディーゼル・エンジンなので、車体の横っ腹に“Clean Diesel”とか書きたくなるのではないかと思うのだが、実際には両者のエクステリアにエンジン形式を臭わせるものは特にない。