日米中韓 最新EV(電気自動車)の充電速度を比較してみた 「リアル」で速いのはどれ?
公開 : 2023.11.04 18:05
・日本、米国、中国、韓国の最新EV。実際の充電速度をテスト。
・いわゆる「メーカー公称値」と実際の数値には差があった。
・リアルでの利用状況を考慮しながら比較。一番速いのは?
もくじ
ー「メーカー公称値」との間に差も…
ー【重要】EV充電速度のテスト方法
ートヨタbZ4X AWDモーション(2022年)
ーレクサスRZ 450e(2023年)
ースバル・ソルテラAWDツーリング(2023年)
ーテスラ・モデルY RWD(2023年)
ーBYDアット3(2023年)
ーヒョンデ・アイオニック6 RWDアルティメット(2023年)
ーキアEV6 GT
「メーカー公称値」との間に差も…
EV(電気自動車)が世界的に注目を集める中、航続距離やバッテリーの安全性、車両価格などさまざまなトピックが話題に上がるようになった。今回は、「充電速度」に焦点を絞って、ユーザーの利用状況も考慮しながら、各メーカーの最新EVを比較していきたい。
2022年秋以来、AUTOCAR英国編集部は、試乗したすべてのEVで急速充電性能のベンチマークテストを行ってきた。本稿ではその中から、日本、米国、中国、韓国の最新モデルをピックアップした。欧州車も含む包括的な評価ランキングについては、別の記事(後日投稿予定)でまとめたい。
これはすべてのEVに当てはまることだが、充電速度はバッテリー残量が満タンに近づくにつれてかなり遅くなることが予想される。しかし、一部のモデルでは、メーカー公称値(カタログ値)と実世界での充電速度に大きな違いが見られる。
適切な充電器を見つけたとして、最新EVの実際の充電速度はどれくらいなのだろうか? そして、一番速く充電できるのはどのモデルだろうか?
【重要】EV充電速度のテスト方法
AUTOCAR英国編集部が実施している急速充電テストは、対象車両のピーク充電速度を満たせる出力の急速充電器を使用し、10%、30%、50%、70%、90%の充電率(SOC)において、実際にどれだけの電力がバッテリーに送られているのかを観察し、記録するというものである。
実用上、すべてのテストに同じ充電器を使用することはできない。また、可能な限り充電前にバッテリーをプリコンディショニングする(状態を整える)が、多くのEVでは充電率が10%以下になるとプリコンディショニングができない。
試乗するEVはおおむね英国仕様の車両であり、充電設備のレベルも基本的には英国の水準となる。当然ながら、充電器の性能はメーカーや運営会社によっても変わるし、充電時の天候もある程度考慮しなければならないだろう。
そして、一般的にユーザーが重視するであろうポイントを反映した「重み付け」を行い、テスト結果を平均化する。公共の急速充電の利用料金は、一般家庭での充電に比べて比較的高価である。ほとんどのユーザーは、定期的な習慣(通勤など)ではなく、特定の移動のために急速充電を利用する傾向にあるため、充電率20%未満から急速充電を行ったり、80%を超える充電を行ったりする人は多くない(時間効率が悪く、バッテリーの寿命にも大きな影響を与えるため)。
そのため、充電率50%を超えたときに示す速度は、10%や90%といった極端な充電率で示す速度の3倍、同様に70%や30%で示す速度はそれらの2倍重要と捉えている。ややこしいかもしれないが、現実的な利用状況を評価に含んでいると考えていただきたい。
あくまで本稿執筆時点でテスト済みのモデルをピックアップしているため、最新モデルなどでは残念ながら評価が間に合わなかったものもある。その点もふまえていただくと幸いだ。