岐路に立たされたランドローバー・ディスカバリー 次期型で大胆刷新、家族向け高級SUVとして再出発?
公開 : 2023.10.24 18:05
ディスカバリーが進むべき道とは
また、デザインにこだわる理由はもう1つある。第6世代の新型ディスカバリーはバッテリーEVとして発売予定で、ボディの空力効率が非常に重要となる。
より具体的に求められるのは全体的なデザインテーマだ。今日のJLRのあり方に批判があるとすれば、それはすべてのクルマが視覚的なドラマを欠くほど非常に洗練されているということだ。純粋な工業デザインから生まれたレンジローバーならそれも理解できるが、レンジローバー・スポーツはモダニズム的な豪華さを追求するあまり、エッジを失ってしまった。
今日のラインナップの多くは、おそらく洗練されすぎている。舞踏会ではなく北極圏に向かうように見えなければならないクルマもあるのに、非常にスマートでカジュアルな格好をしているのだ。
「Less is a bore(少ないほど、退屈)」という古い格言がある。ディフェンダーの表現力の豊かさは明らかだが、ディスカバリーにも再発明の道が残されている。本格的な登山用品やセーリング用品など、アウトドア用品がデザインのヒントを豊富に与えてくれるだろう。
多用途性を実現するには、第3世代のようにフルフラットな積載スペースが不可欠で、スケートボード型EVプラットフォームなら簡単にできるはずである。内装材は耐久性が高く、掃除しやすいものでなければならない。従来の超豪華な内装から脱却することで、ディスカバリーブランドに新たなUSP(独自の強み)が生まれる。
キャリーケースの目利きとして記者が言えるのは、第6世代ディスカバリーの荷室内寸はミニバンとほぼ同じでなければならないということである。具体例として、後期型フォードSマックスは後部座席をたたんだ状態で長さ1975mm以上、幅1130mm以上のスペースがあった。
この幅の広さによって、多くの子持ち世帯の夢である、3座独立の中間座席(2列目)を実現できるはずだ。市街地ではボディサイズも重要なので、威圧感のないものを作ることになるだろう。
第2世代レンジローバーは全長4.7m、全高1.87mだったが、この比率は再検討する価値があるかもしれない。
最終的にはこれらすべてを組み合わせて、レンジローバーやディフェンダーブランドとは一線を画す新型SUVにまとめ上げ、JLRのショールームで独自の提案を行う必要がある。実際、「ハウス・オブ・ブランズ」を謳う以上、すべてのブランドが明確に際立っていなければ機能しない。
では、これは記者の提案だが、新型ディスカバリーを表すワードとして次の4つはいかがだろう?「Everyone、Everything、Everywhere、Everyday」