息を呑むような曲線美 シボレー・コルベット C3 LT-1 アメリカン・スポーツの代名詞(1)

公開 : 2023.11.11 17:45

アメリカン・スポーツカーの代名詞、コルベット誕生から70年 コークボトルラインのC3からミドシップのC8まで 英国編集部が6世代を振り返る

アメリカン・スポーツの代名詞

アメリカン・スポーツカーの代名詞といえる、シボレーコルベット。初代、C1の生産が始まってから、2023年で70年が経過する。最も人気の高いモデルは第2世代のC2かもしれないが、それ以降の歴代も、特徴的なドライビング体験を提供し続けている。

コルベットは、その時代に合わせたアップデートを受けつつ、技術的な特徴は大きく変化してこなかった。繊維で強化された樹脂製ボディに堅牢なシャシー、パワフルなV8エンジン、ライバルより大幅にお手頃な価格。それは最新のC8でも変わらない。

レッドのシボレー・コルベット C3 スティングレイLT-1と、ブラックのシボレー・コルベット C8 スティングレイ
レッドのシボレー・コルベット C3 スティングレイLT-1と、ブラックのシボレー・コルベット C8 スティングレイ

継続的に開発されてきたものの、ファンからは特定の年式が特に高い評価を得ているようだ。確かに好調な時代もあれば、不調に悩んだ時代もあったが、どのモデルも現実的な予算で輝かしい能力を提供し続けてきた。

今回は、ロングノーズでコークボトルラインのC3から、ミドシップへ生まれ変わったC8まで、6世代に渡るコルベットを振り返ってみたい。読者お気に入りの1台は含まれるだろうか。

協力:シウェル飛行場、シウェル航空博物館、クラシック・コルベット・クラブUK

息を呑むような曲線美のコルベット C3(1968〜1982年)

コルベット・ファンを悩ませる事実が、最も人気の高い第2世代のC2は、歴代で1番生産期間が短かったこと。1963年から1967年までの、4年足らずしか作られていない。

その後継モデルとなる3代目は、プロトタイプの承認が終わるやいなや、早々に生産が始まった。ただし初代のC1からC2への進化ぶりを踏まえると、C2からC3では、キャリーオーバーといえる部分が少なくなかった。

シボレー・コルベット C3 スティングレイLT-1(1970〜1972年)
シボレー・コルベット C3 スティングレイLT-1(1970〜1972年)

デザイナーのラリー・シノダ氏が1965年にまとめ上げたコンセプトカー、マーコ・シャークIIは、ロングノーズのシルエットに息を呑むような曲線美をまとっていた。以降のスタイリングの特徴が、ここで誕生したといっていい。

ただし、フロントフェンダーの峰は斜め前方の視界を遮るほど高かった。ボートテールのファストバックは、後方視界が充分配慮されていなかった。空力特性も酷いものだったという。

C3の生産に向けて、欲情的なラインは落ち着きを増し、リアガラスは垂直に立ち上がった。リアピラーのみが後方へなだらかに伸びる、バットレス・スタイルへ改められた。

ルーフはタルガトップの通称「Tトップ」が標準。強固なシャシーにグラスファイバー製ボディを載せるという構成を活かしつつ、頭上の構造材を部分的に残すことで、剛性を保ったままでのオープンエア・ドライブを可能とした。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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