アウディの次世代高級EV 新型A4 eトロン、2025年導入へ 過激な「RS4」発売にも期待
公開 : 2023.10.24 18:25
・アウディA4、次世代モデルはバッテリーEVに。2025年導入へ。
・セダンとアバントを設定。新開発のコンポーネントで革新。
・スポーティな「S4」や「RS4」の発売にも期待高まる。
新技術を盛り込んだバッテリーEV
ドイツの自動車メーカーであるアウディは、2025年後半に次世代EVのA4 eトロンを導入する。A4は約30年にわたる歴史を経て、完全電動パワートレインに移行する予定だ。
新型A4 eトロンはバッテリーEVとなるが、現行のA4に相当する内燃エンジン車も「A5」として引き続き販売される見込みである。A4 eトロンは電動SUVのQ6 eトロンと同じPPEプラットフォームを採用し、サイズや位置づけは似ているものの、まったく異なるモデルになるという。
アウディの技術責任者であるオリバー・ホフマン氏は取材に対し、新しいPPEプラットフォームへの切り替えにより「素晴らしいプロポーションを持つことになり、デザイナーは非常に喜んでいる」と語っている。
ショートオーバーハング、低く構えたボディワーク、そして豪華なグラスハウスが、新しいEVファミリーの特徴になるだろう。A4 eトロンではセダンとアバント(ステーションワゴン)の2タイプが設定される。
アウディの現行EVと比較して、技術的に大きな進歩が見られるだろう。なかでも注目されるのは、車軸の間に設置される新世代バッテリーで、使用可能容量は約100kWhとされる。A4 eトロンは本質的に、SUVのQ6 eトロン(航続距離600km)よりも車高が低く、スマートで軽量であるため、1回の充電での航続距離は最長640km近くになるはずだ。
A4 eトロンには800Vの高電圧アーキテクチャーが標準装備され、MEBベースの現行型Q4 eトロンの2倍となる最大270kWでの充電が可能となる。これにより、わずか10分で約250km分の電力を補充できる。
新開発のニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーは、15個の角型セルで構成されている。フロアパン内のスペースを利用し、エネルギー密度を最適化しながら室内空間を拡大できるように配置される。PPEアーキテクチャーが持つ耐久性を最適化する上で同様に重要な役割を果たすのが、電子制御に対する新しいアプローチである。
PPE ベースの車両にはSiC(炭化ケイ素)半導体が全体的に使用されており、熱放出が少ないためエネルギーの浪費を抑えることができる。さらに、新開発の電気モーターではステーターの配線断面を四角形としたことで、従来の円形で生じていた巻線間の無駄なスペースをなくした。