60年の歴史、最もハードコアなポルシェ911 20選 公道も走れます

公開 : 2023.11.05 18:05

ポルシェ911 GT2(1995年)

GT2とはスポーツカーレースのクラスであり、公道走行可能な「ホモロゲーション・スペシャル」モデルを複数製作しなければ参加できない。四輪駆動は禁止されているが、1990年代半ばにはすべての911ターボが四輪駆動になっていた。そこでポルシェは後輪駆動の911 GT2を新たに作り、レースに挑もうとしたのだ。

トランスミッションの部品点数を減らすなど、さまざまな軽量化策を施した結果、通常のターボよりも身軽になった。もちろん四輪駆動に比べればトラクションは劣るものの、パフォーマンスが大きく向上。ポルシェはその後20年以上にわたり、各世代でGT2を手掛けることになる。

ポルシェ911 GT2(1995年)
ポルシェ911 GT2(1995年)

ポルシェ911 GT1シュトラッセンバージョン(1997年)

GT2同様、911 GT1もレースに参戦するために作られたが、標準の911との共通点は名前といくつかのコンポーネントにとどまる。完全にレース用に設計された911 GT1だが、公道走行可能なバリエーションも販売しなければならず、そこで登場したのがシュトラッセンバージョンだ。

シュトラッセンバージョン(ストリートバージョン、公道向けの意)は若干のデチューンが施され、公道走行用にさまざまな装備を追加しているが、それでも際立った存在であることは間違いない。また、市販の911としては初めて水冷エンジンを搭載したモデルであり、またエンジンがリアアクスル前方に搭載された唯一の911でもある。競技用に製造された911 GT1のうち、少なくとも1台が公道用に改造されているため、シュトラッセンバージョンではないにもかかわらず、公道で使用することができる。

ポルシェ911 GT1シュトラッセンバージョン(1997年)
ポルシェ911 GT1シュトラッセンバージョン(1997年)

ポルシェ911ターボS(1997年)

993世代の911ターボは、3.6Lエンジンを2つのコンプレッサーでブーストし、408psの出力を得た。印象的な数字ではあるが、後期に登場したターボSがスポットライトを独占することになった。

イエローのブレーキキャリパーと大型リアウイングが特徴的な911ターボSは、エンジンもアップグレードされている。米国では、430psの出力がレビュアーに高く評価されたが、他の市場で販売された最高出力450psのバージョンに彼らがどう反応したかは想像に難くない。

ポルシェ911ターボS(1997年)
ポルシェ911ターボS(1997年)

ポルシェ911 GT3(1999年)

911に初めて設定されたGT3は、スポーツカーレースのGT3クラスに参戦するために開発されたホモロゲーション・スペシャルである。GT3クラスではターボチャージャーの使用が許可されなかったため、最高出力360psの自然吸気3.6Lエンジンを搭載。ポルシェによれば、ル・マンで優勝した911 GT1のターボエンジンを派生させたものだという。

重量を抑えるために装備は最小限に抑えられ、アンチロールバー、リアウィング、そしてギア比さえもアジャスタブルとし、チューニングの幅を広げている。

ポルシェ911 GT3(1999年)
ポルシェ911 GT3(1999年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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