マツダ・アテンザXD

公開 : 2013.01.26 18:02  更新 : 2017.05.29 19:13

オトシン環境をふくめた乗り心地の快適さに関しては、セダンのほうが間違いなくよい。確実によい。走行中の車内がザワついていたりアタマが少し多めに左右に揺すられたりで、ワゴンは一段落ちる……のは、アタリマエといえばアタリマエ。寸法的に、または用途的に「ワゴンじゃないと困る」という人はワゴンをどうぞ。そうでなかったらセダンを。
新型アテンザ、ワゴンはセダンよりホイールベースが80mmだけ短い。どう短いかというと、後輪と後席とが互いの位置関係を保ったまま前寄りにきている。で全長は、セダンより60mmしか短くない。つまり、短いなかでも荷室のデカさを優先している。だからといって、後席が狭くて困ることは別に。

セダンもワゴンも、ボディ剛性はいまのクルマとしてフツーにちゃんとありそう。ただというか、隈取り(フレーム?)部分はまあしっかりしているけれど面の部分がイマイチのような。「板厚が足りないから?」といいたくなる微振動が、あるかないかでいうとある。その点に関してはCX-5でも同じような印象をもった。軽量車体だからなのか。実用上困ることはなくても、こういうスタイルをした大きなセダンとしては、商品力上……。なんというか、車体のガッチリ感における過剰さが足りないかもしれない。またはギリギリっぽい。乗っていてイヤになることはないし、見た目も車名も新型カペラ(笑)だったらこれでバッチリ、ではあるとしても。

カーブの手前でしっかり制動→前荷重UPをやらなくてもミョーによく曲がる。曲がりたがる……ようなクセは特に感知されず。デカいフットプリントのセダンなりの、素直でフツーな動き(ワゴンに乗ると、ホイールベースが少し短いのが感じとしてちゃんとわかる)。その意味では「ああ、よかった」。

しかし気になる点がゼロだったわけではなくて、ひとつにはステアリング関係。真っ直ぐまたはほぼ真っ直ぐ走っている状態で、手応えがリキみ気味。タイヤが横力を出していないとき本来のスルッとした、またはブランとした感じ(いわゆるニュートラル感)が足りない。というか、ない。で、巡航時のライントレース性がイマイチ。ちょっとハンドルきって放して戻ってこず、ということはないしいまの日本車の横並び比較で問題になるようなヒドさでは全然ないけれど、新型アテンザ全体がわりと〜かなりゴキゲンだったなかであえて指摘したくなった点としてはそれがイチバン。パワートレイン的には断然イチ押しの①:DE+M/Tのセダンの個体でそのクセがもっとも気になった、ということもふくめて。たんなる個体差や距離不足であればまだいいのだけれど。あるいは、タイヤを(OE装着銘柄以外の)どれかイイやつに履きかえると解決するなら。

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