生産終了が来年に迫る でもシッカリ小改良 ジャガーXF スポーツブレークへ試乗 訴求力強化

公開 : 2023.11.03 19:05

ジャガーのミドルクラス、XFがフェイスリフト 英国価格は3シリーズやCクラスに並ぶ カーブを堪能できる優れた操縦性は変わらず 英国編集部が評価

3シリーズやCクラスに並ぶ英国価格

ジャガーのミドルクラス、XFが2024年仕様としてフェイスリフトを受けた。しかし、早ければ1年以内に生産が終了するという。

現在は、電動パワートレインの開発へ力が注がれている。それでも、余命僅かなXFにも望ましいアップデートが施された。従来以上に、価格価値は増したといえる。

ジャガーXF スポーツブレーク D200 Rダイナミック HSE ブラック(英国仕様)
ジャガーXF スポーツブレーク D200 Rダイナミック HSE ブラック(英国仕様)

英国では2021年に、ひと回り小さいXEとともに、XFへ思いきった価格改定が行われた。フェイスリフト後でも1000ポンド(約18万円)程度の上昇に留まっており、上級ブランドのこのクラスとしては、かなりのお値打ち価格だといっていい。

今回試乗したステーションワゴンのXF D200 スポーツブレークの場合、クラス下のBMW 320d ツーリングより約8000ポンド(約144万円)も安い。メルセデス・ベンツCクラスの220d ステーションワゴンと比べると、1万ポンド(約181万円)も違う。

エントリーグレードで3万6000ポンド(約651万円)を切る設定は、かなりのインパクトなのではないかと思う。試乗車のダイナミック HSE ブラックでも、4万2750ポンド(約773万円)だ。流石に、ディーラーでの値引きは期待できないようだが。

D200 スポーツブレークの動力源は、2.0L 4気筒ディーゼルターボエンジン、インジニウム・ユニット。2024年仕様のXFでは1番お安く、マイルド・ハイブリッド化されており燃費も良い。カタログ値で20.1km/Lがうたわれ、CO2排出量は130g/kmになる。

フェイスリフトで装備充実 内装の質感も向上

他に選択できるパワートレインは、P250とP300に搭載される、2.0L 4気筒ガソリンターボエンジンのみ。ただし、D200とは異なりマイルド・ハイブリッドではない。P300では、後輪駆動のほかに四輪駆動も選択できる。

トリムグレードは、RダイナミックS、SE、HSEの3段階に絞られた。SEとHSEには、「ブラック」というスタイリングパッケージも指定できる。

ジャガーXF スポーツブレーク D200 Rダイナミック HSE ブラック(英国仕様)
ジャガーXF スポーツブレーク D200 Rダイナミック HSE ブラック(英国仕様)

フェイスリフトに合わせて、装備も充実している。オートハイビームLEDヘッドライトやシーケンシャル・ウインカー、ヒーター内臓ドアミラーなどが標準装備になった。

インテリアでも、メーター用モニターやパワーシートなどが標準。とはいえ、2021年の改良で大幅に知覚品質を高めており、見た目から受ける変化は小さいかもしれない。

落ち着いた輝きを放つ、クロームメッキ・トリムが内装を彩る。ステアリングホイールとセンターコンソール上のボタンやノブなどは、これまでより質感を増し、レイアウトも良くなった。

従来のXFでは、一部のスイッチ類などにゴムコーティングが施されていた。新しい時は好ましい触感でも、摩耗しやすいのが難点だった。それらは、堅牢そうなクロームメッキ仕上げに変更されている。

ダッシュボードの中央には、11.4インチのインフォテインメント用モニターが突き出ている。緩くカーブを描き、ダッシュボードと馴染んで見える。これは、エントリーグレードでも標準装備だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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