小さくてもスポーティ 新型BMW X2、実車公開 バッテリーEVも初導入

公開 : 2023.10.26 18:05

・新型BMW X2がジャパンモビリティショー2023に登場。
・クーペSUVに進化。スポーティなフォルムを披露。
・バッテリーEVのiX2も初導入、航続距離は449km(WLTP)。

新しいクーペのフォルムを国内披露

ドイツの自動車メーカーであるBMWは、10月25日に開幕したジャパンモビリティショー2023(一般公開日:10月28日~11月5日)で、第2世代となる新型X2を披露した。

BMW X2は小型のクーペSUVで、バッテリーEVのiX2も今回初めて導入された。英国価格は3万9365ポンド(約720万円)からで、欧州や米国では2024年3月から納車開始予定である。

ジャパンモビリティショー2023で公開されたBMW iX2
ジャパンモビリティショー2023で公開されたBMW iX2    AUTOCAR

新型X2のボディサイズは全長4554mm、全幅1845mm、全高1590mmと、先代モデルより大型化した。サイズアップに伴い、トランク容量は560(iX2は525L)に拡張され、後席乗員のレッグスペースも広くなったという。

BMWの特徴であるキドニーグリルも大型化し、アイコニック・グローと呼ばれるLEDデイタイムランニングライト(オプション)が新たに追加された。グリルにはまた、不要時に自動的に閉じる可動式冷却フラップが装備されるなど、エアロダイナミクスの向上を図っている。

EVのiX2では、グリルが完全に密閉され、エアロダイナミクスがさらに向上している。アンダーボディの空力対策もあり、空気抵抗係数はガソリンモデルより0.02低いCd値0.25となり、1回の充電での航続距離は最長449km(WLTPサイクル)に。これは、多くのコンポーネントを共有する兄弟車iX1より高い数値だ。

充電速度はDC充電器で最大130kWであり、一部のライバルに比べるとやや遅い。しかしBMWによると、ソフトウェアを改良したことで、従来のEVよりも安定したフル充電が可能だという。従来の「段階的」な充電プロセスとは異なり、バッテリー充電率が100%に近づくにつれて滑らかな下降曲線を描くため、充電率50%からでもフル充電が可能とされる。

走りに磨きをかけた第2世代

iX2では回生ブレーキのレベルもタッチスクリーンから調整可能で、減速時には最大120kW(通常のレベルでは60kW)の電力を回収することが可能だ。

iX2は2基の電気モーターによる四輪駆動方式を採用し、最高出力313psと最大トルク50.3kg-mを発生、0-100km/h加速は5.6秒とされる。

ジャパンモビリティショー2023で公開されたBMW iX2
ジャパンモビリティショー2023で公開されたBMW iX2    AUTOCAR

今のところ、新型X2のラインナップの最上位に位置するのは、ガソリンエンジン搭載のX2 M35iだ。最高出力300psと最大トルク40.8kg-mを発揮するターボチャージャー付き2.0L 4気筒エンジンと7速AT、そして「トラクション、操縦安定性、コーナリング・ダイナミクスを最大化する」という機械式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルを搭載。0-100km/h加速は5.4秒で、これはフォルクスワーゲン・ゴルフGTIよりも速い。

また、フロント部分にブレースを追加するなど、シャシーにもいくつかの改良が施され、ステアリング・レスポンスが向上したという。M仕様のフロント385mm、リア330mmの大型ブレーキが装着され、インテリアではアルカンターラのバケットシートを装備している。

10.25インチのデジタルメーターディスプレイと10.7インチのタッチスクリーンは全車に標準装備となる。また、幅広いデジタル・サービス・サブスクリプションの一部として、BMWのAirconsoleサービスが導入され、車内のスクリーンでゲームをプレイすることができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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