世界を狙うスズキのEV 新型eVXコンセプト、国内初公開 全長4.3m

公開 : 2023.10.27 06:05

・2025年までに市販化へ。トヨタからの学びも?
・スズキの世界戦略EV第1弾「eVX」が国内で実車初公開。
・全長4.3m、航続距離550kmの小型クロスオーバー車。

2025年までに市販化予定

スズキは、10月25日に開幕したジャパンモビリティショー2023(一般公開日:10月28日~11月5日)で、EVのコンセプトモデル「eVX」を公開した。

スズキeVXは2025年までに市販化を計画している、世界戦略EVの第1弾となる。四輪駆動技術の継承を目指したクロスオーバー車で、今年1月にインドで発表されたが、日本国内では初公開となる。

スズキeVXコンセプト
スズキeVXコンセプト    AUTOCAR

eVXのボディサイズは全長4300mm、全幅1800mm、全高1600mm。小型クロスオーバーのSクロスに近いサイズ感だ。

容量60kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電での航続距離は550kmとされる(インドMIDCテストサイクル)。詳細についてはまだほとんど明かされていないが、高い最低地上高と四輪駆動を持つことから、オフロードにおける走破性の高さが期待される。

スズキの鈴木俊宏社長はジャパンモビリティショーで記者に対し、戦略的パートナーであるトヨタからもEVについて学んでいると語った。トヨタは昨年、EVクロスオーバーとのbZ4Xを発売している。

bZ4Xには前輪駆動と四輪駆動のバリエーションがあり、スバルソルテラと兄弟車となっている。オフロードや濡れた路面での走破性を高める「Xモード」が搭載され、急な坂道で一定の車速を維持するダウンヒルアシストコントロールなどを備えている。

新興国市場も視野に入れているスズキは、コストを抑えるためにも異なるアプローチをとるだろう。四輪駆動モデルをトップに据えつつ、1モーターの二輪駆動モデルで門戸を広げると予想される。

eVXの国内発表に先立ち、スズキは10月20日にカナダのインモーティブ社への出資を発表している。インモーティブ社はEV向けの2速トランスミッション(2段変速機)を開発している新興企業で、スズキと共同開発したユニットが2025年の市販版eVXに搭載される可能性もある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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