ディフェンダー130こと、ロングボディ仕様の懐深さ 最強ファミリーカーかアウトドア・パリピ仕様か

公開 : 2023.11.01 22:05

都会で見つけたブレない力強さ

アクセルの踏み込みに対して一拍おいてから、ヌルヌルと息の長いトルクが湧き出してくるフィールは、オフロードで柔らかい路面を優しく、しかし先読みしながら掻き続ける際に、頼りになるはずだ。

そこにテレインレスポンスの路面モード選択をあれこれ変えていると、インストルメンタルパネル内に駆動配分やデフロックやトランスファーの状態、各輪の荷重まで、アット・ア・グランスで見られる。

ディフェンダー130の前席(内装色:エボニー/ウィンザーレザーシート)
ディフェンダー130の前席(内装色:エボニー/ウィンザーレザーシート)    神村聖

積載重量を含め、平時の都会では明らかにもて余すキャパがあることは確かだ。だが「インテリジェンス(情報)」をドライバーに集めては、制御に駆使する構えを怠らない、もっといえば指揮されるためのスタンバイぶりが、さすがMI6とか007の国の、ヘビーデューティ・クロカンといえる。

ようは制御システムやプログラムが第一義では、インテリジェントな一台にはならない、そういうデジタル<アナログの感覚を、ギリギリ感じさせてくれる。

そんなアウトプットの方向性と世界観のブレ無さこそ、都会で退屈とスマートを極めた現代人に気持ちいいはずだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    南陽一浩

    Kazuhiro Nanyo

    1971年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。ネコ・パブリッシングを経てフリーに。2001年渡仏。ランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学で修士号取得。2005年パリに移る。おもに自動車やファッション/旅や食/美術関連で日仏独の雑誌に寄稿。2台のルノー5と505、エグザンティア等を乗り継ぎ、2014年に帰国。愛車はC5世代のA6。AJAJ会員。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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