疑う余地はない本格派 新型フォード・ブロンコへ試乗 最大のライバルはラングラー

公開 : 2023.11.12 19:05

英国でも並行輸入で購入できる新型ブロンコ 最大のライバルはジープ・ラングラー ディフェンダーに並ぶ価格がネック 英国編集部が評価

セパレートシャシーの本格オフローダー

フォードは、欧州市場で設けられている、メーカー平均でのCO2排出量に手を焼いている。新しいフォーカス RSを提供する余裕がないほど、目標の達成は難しいようだ。

ジープラングラーへ伍する、内燃エンジンのオフローダーなど、販売できる状況ではないのだろう。それでも、特定のディーラーを訪れれば、新しいブロンコを購入できる。並行輸入という形で。

フォード・ブロンコ 2.3エコブースト・アウターバンクス(英国仕様)
フォード・ブロンコ 2.3エコブースト・アウターバンクス(英国仕様)

それが、ロンドンにショールームを構えるクライブサットン社で、彼らはフォード・マスタングシボレーコルベットなど、アメリカ車を得意としている。ちなみに、日本にも並行輸入しているディーラーは存在する。

初代を想起させるデザインをまとう、新型ブロンコが発表されたのは2020年。2ドアと4ドアのボディスタイルがラインナップされ、セパレートシャシー構造を採用する、本格的な四輪駆動のオフローダーだ。

ひと回り小さいブロンコ・スポーツも存在するが、こちらはだいぶ内容が異なる。モノコック構造で、オンロードへ焦点が向けられた、ファミリーSUVといえる。

本物のブロンコと呼べるのは、もちろん前者の方。シャシーはピックアップトラックのレンジャーから派生したもので、フロント・サスペンションは独立懸架式。リアはリジットアクスルとなる。

四輪駆動システムには、ハイレシオとローレシオが備わり、後輪駆動へ切り替えることも可能。広大な北米大陸を駆け巡るような、アドベンチャーを前提に開発されている。

ルーフやサイドドアは脱着可能

最大のライバルといえるラングラーを、ジープは年間20万台以上も世界中へ届けている。アフターマーケットパーツやカスタム市場も、かなりの規模といっていい。フォードが同じクラスに属するモデルを欲したとしても、不思議ではない。

強く意識しているだけに、ボディサイズもラングラーへ近い。4ドアのラングラー・アンリミテッドは全長が4882mm、全幅は1894mm、全高が1848mmだが、ブロンコは4811mm、1937mm、1962mmとなる。

フォード・ブロンコ 2.3エコブースト・アウターバンクス(英国仕様)
フォード・ブロンコ 2.3エコブースト・アウターバンクス(英国仕様)

ルーフは、ソフトトップかハードトップを選べる。どちらもボディから取り外すことができ、サイドドアも脱着が可能。テールゲートは横に開く。

グレードやオプションなどの選択肢も多彩。北米市場では、3万ドル(約447万円)を切る価格から提供されているが、ディーラーはもっと強気の設定でも良いと考えているようだ。これまでに16万台以上の注文が寄せられたといい、需要の高さを裏付けている。

今回グレートブリテン島で試乗したブロンコは、アウターバンクス。北米ではミドルグレードに相当し、トップグレードとは異なり、オンロード重視のタイヤを履く。

ラングラーと同じく、オフローダーらしい無骨な雰囲気が漂っているほど、ブロンコはカッコよく見えると筆者は思う。この例では、少し上品すぎるかもしれない。

エンジンは2.3L直列4気筒ガソリンターボの、エコブースト・ユニット。10速ATが組み合わされる。ほかに、2.7L V6ガソリンターボも選べ、6速MTもオプションで指定できる。3.0Lエンジンのラプターも、追って登場するそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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