「低炭素」のEV 製造から廃棄までサスティナブルに 新型ポールスター4

公開 : 2023.11.02 18:25

・新型ポールスター4の製造から廃車までのCO2排出量が公開。
・ブランド史上最もカーボンフットプリントが少ない「低炭素」と説明。
・北欧の独創的デザインあふれる高級クロスオーバー車。

北欧流の高級クロスオーバー車

スウェーデンの自動車ブランドであるポールスターは、今年4月に公開した新型EV「4」について、最も低炭素なクルマであると発表した。

ポールスター4は、ボルボ傘下の同ブランドにとって4番目に投入する市販モデルであり、高級志向のクーペ・クロスオーバーとなる。製造から廃車に至るまでの製品ライフサイクル全体でのCO2排出量、いわゆるカーボンフットプリントがブランド史上最も小さいとされている。

今年春に上海モーターショーで公開されたポールスター4
今年春に上海モーターショーで公開されたポールスター4    AUTOCAR

ポールスターが行うライフサイクルアセスメント(LCA)では、製品ライフサイクル全体で合計19.4トンのCO2を排出することが判明したという。ポールスターは2020年以降、各モデルのLCAを公表している。

製造は中国杭州湾にある吉利汽車(ジーリー)のSEA工場で行われ、太陽光発電と水力発電で得た電力を利用したり、製錬には低炭素アルミニウムを使用したりするなど、排出ガスを削減する製造技術を採り入れているという。

ポールスターのサステナビリティ責任者であるフレデリカ・クラーレン氏は、「ネット・ゼロ目標を達成するために、ポールスターはすべてのクルマにカーボンバジェットを設定しています。ポールスター4のカーボンバジェットは、材料の選択から工場のエネルギー源に至るまで、製品開発のすべてに影響を与えました。LCAを共有することで、ネット・ゼロを目指せるのだと示されました」と述べている。

ポールスターは、4の仕様ごとのCO2排出量を公表しており、エントリーグレードのスタンダードレンジ車は19.4トン、ロングレンジ車は19.9トン、最上級のデュアルモーター車は21.4トンとなっている。フォルクスワーゲンID.3よりも炭素効率が高いことになる。

ボルボからの独立後、ポールスターは独自で製品開発を進めており、4は一から開発された高級EVである。クーペフォルムを採用しているが、リアウィンドウがないなど、オリジナリティの強いデザインを特徴とする。欧州での販売価格は5万ポンド(約915万円)から6万5000ポンド(約1190万円)の間になると予想される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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