部品届かず5000台が修理待ち 中古部品で対応も 英国、JLRトップが謝罪の意

公開 : 2023.11.04 18:05

一部ディーラーでは「ずさん」な対応も

一方、英国のディーラー従業員が取材で語ったところによると、新品部品の遅れを解消し、修理を迅速化するため、メーカーから中古部品を使用するよう指示されているという。

「JLRはこの半年間、クルマを修理して修理工場から出すために、非純正部品を調達するようディーラーに指示してきました」

修理が遅れていること、また一部でずさんな対応が行われていることに対して不満の声が挙がっている。
修理が遅れていること、また一部でずさんな対応が行われていることに対して不満の声が挙がっている。

「あるJLRのシニアマネージャーは、必要であれば中古部品を使うよう提案しましたが、ディーラーからは嘲笑されていました」

AUTOCARはその真偽を確認するために改めて従業員に連絡を取ったが、本人からの返答はなかった。

しかし、この主張を裏付けるように、4年前に購入したレンジローバー・イヴォークが故障した際、ランドローバーの正規ディーラーが中古部品を使って修理したというオーナーの体験談を聞いた。

キャッスル・ダグラスに住むローラ・ブラノックさんの話によると、イヴォークで故障が発生したのは4月のことだった。6月にディーラーの点検を受けたが、新しい交換部品は12月上旬まで手に入らないと告げられたという。

息子を定期的に病院に連れて行くためにクルマを必要としているブラノックさんは、8月に消費者支援団体であるリジェクト・マイ・カー(RMC)に連絡を取り、支援を求めた。RMCの介入後、数日で部品が入手可能になり、交換作業を行った。ブラノックさんはその後、RMCの事業所にクルマを持ち込み、修理状況を検査することになった。

検査の結果、エンジンとターボチャージャーが整備されていたが、オイルはほとんどなく、23の故障コードが表示された。

「わたし達の経験では、(英国で)最もクレームの多いブランドはJLRで、部品不足による修理不能がそ原因の第1位です」と、RMCの創設者でマネージング・ディレクターのイアン・ファーガソン氏は語る。

ファーガソン氏はブラノックさんに対し、この件を追求している間はクルマを運転しないよう伝えたという。

修理を担当したディーラーはAUTOCARの取材に応じなかった。

JLRの広報担当者は、ブラノックさんのイヴォークの修理にはランドローバーの純正部品のみが使用され、彼女の車は保証期間外であると述べた。英国における中古部品の使用については、次のようにコメントしている。

「一部のディーラーで発生している一時的な部品の遅れを解決し、お客様への影響を最小限に抑えることがJLRの最優先事項です」

「当社のディーラーが交換や修理のために現地で調達した部品を使用することは、例外的な状況において長年行われてきた慣行です。ただし、その部品が目的に適合し、JLRの仕様に合致している場合に限ります。このことは、保証契約の一部として明示されています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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