「こういうのでいいのかも」 飛躍しすぎない進化 VW傘下のスコダ、新型フラッグシップモデル初公開

公開 : 2023.11.07 06:05

・VW傘下のスコダ、上級モデルのスパーブをフルモデルチェンジし第4世代へ。
・パサートの兄弟車、ステーションワゴンとリフトバック(ハッチバック)を設定。
・電動化しすぎないパワートレイン、実用性重視のデザイン。

パサートの兄弟車 上級だが実用的

チェコの自動車メーカーであるスコダは、欧州で販売する主力モデル「スパーブ(Superb)」の新型を発表した。電気のみで100km走行可能なPHEV(プラグインハイブリッド)を導入している。

スコダ・スパーブは欧州Dセグメントのミドルクラスモデルで、新型は第4世代に数えられる。フォルクスワーゲン・グループの技術をベースに、実用性に重きをおいて開発された。ステーションワゴンおよびリフトバック(ハッチバック)の2種類のボディを用意し、2024年半ばに欧州で発売予定。

欧州で発表されたスコダ・スパーブ
欧州で発表されたスコダ・スパーブ    AUTOCAR

価格は未発表だが、現行車の3万2605ポンド(約600万円)より若干割高になると予想される。ただし、ブランドの性格上、兄弟車のフォルクスワーゲン・パサートより若干安く設定される可能性が高い。

正常進化のデザイン 派手すぎずモダンに

エクステリアとしては、スコダの新しいデザイン言語「モダン・ソリッド」を採り入れ、大胆なショルダーラインと角張ったLEDヘッドライトを装備。現行車よりもわずかに、しかし明らかに進化している。

スコダのデザイン責任者であるオリバー・ステファニ氏は、「スパーブは伝統的にスコダのデザイン言語を形成してきましたが、4代目モデルもそれは変わりません。外観としては、シャープに描かれたライン、明確に定義されたダイナミックなプロポーション、モダンで彫刻的なクリスタルのようなスタイリングが特徴です」と述べた。

欧州で発表されたスコダ・スパーブ
欧州で発表されたスコダ・スパーブ    AUTOCAR

エクステリアでは空力性能も重視され、リフトバックでは10%、ステーションワゴンでは15%の空気抵抗低減を謳っている。

ボディサイズは現行車からやや大型化した。ステーションワゴンでは全長4902mm、全幅1849mm、全高1482mm。リフトバックは全長4912mm、全幅1849mm、全高1481mmで、ホイールベースはいずれも2841mmとなる。大型化にともない、トランク容量も拡大し、ステーションワゴンで690L(20L増)、リフトバックで645L(30L増)となった。

物理ボタンを数多く搭載 使い勝手重視

インテリアでは、ダッシュボードに3つの「スマートダイヤル」を採用している。外側の2つのダイヤルはシートヒーターと室内温度の調節に、中央のダイヤルはインフォテインメントの音量、エアコン、ドライブモードの調節、そしてナビのズームイン&ズームアウトに使用できる。

また、センターコンソールとステアリングホイールには、デフロスターやオーディオ設定などの重要な操作を行うための物理ボタンが配置されている。

欧州で発表されたスコダ・スパーブ
欧州で発表されたスコダ・スパーブ    AUTOCAR

センタータッチスクリーンは10.0インチまたは13.0インチ(仕様によって異なる)を搭載する。

スコダによるとは、新型スパーブの内装に使用されるテキスタイルはすべて100%リサイクルされたもので、中でも「コニャック」ブラウンレザーはオリーブ加工から出る廃水を使ってなめされ、クルマの持続可能性を高めているという。

また、駐車券用クリップ、バックミラー内蔵のUSBポート、ドア内の安全ベスト収納スペースなど、シンプルながら「スマート」な新機能を数多く備えている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事