クライスラー・イプシロン・プラチナ
公開 : 2012.12.26 17:22 更新 : 2017.05.29 18:32
親がアメリカ人と再婚したために別の姓を名乗ることになった、という感じだろうか? いやいや、クライスラーがフィアットに助けてもらったのだから逆パターンか……。クライスラー・イプシロン、何回か音読してみても個人的にはどうも馴染みが良くない。そう、クライスラー姓を名乗ってはいるが、もちろんイプシロンの起源はイタリアの、今では同じグループに属するランチアであり、今回日本デビューを果たした小さなクライスラーもちゃんとヨーロッパメイドである。つまりバッジエンジニアリングとかOEMなのである。
事の発端は2009年に起きたクライスラーの経営破綻だった。会社再生の際にフィアットが出資者のひとりとして名乗りをあげ、両者の提携がスタートを切ったのである。ちなみにクライスラー・イプシロンを名乗るモデルが導入される国はイギリスとアイルランド、そして日本のみで、それ以外の国ではランチア・ブランドのまま販売されている。ランチアは我が国において一定の知名度を持っているが、しかしガレーヂ伊太利屋が1998年に正規輸入を終了してからは並行輸入のみとなっていた経緯がある。そこでランチアの販売チャンネルを持たない日本ではクライスラーを利用することになったのである。
今回のイプシロンは、初代から数えて3代目であり、実際には2011年にデビューしている。2代目までは3ドアのプレミアムコンパクトだったが、3代目からはクーペ風の5ドアモデルとなっている。ベースとなったプラットフォームは現行のフィアット500であり、そのホイールベースを9cm延長することでイプシロン専用としている。ラインナップはベーシックなゴールドとアッパークラスのプラチナの2車種で構成されている。