英国王チャールズ3世 自動運転車の普及に向けた新法案制定を約束 「安全性」が課題に

公開 : 2023.11.09 06:25

英国の自動運転法案には何が必要か?

英国の超党派の運輸委員会は、自動運転車に関する現行法は「古臭く、制限が多い」ため、次の総選挙までに立法化する必要があると述べた。

同委員会のイアン・スチュワート委員長は次のようにコメントしている。

自動運転車は、技術だけでなく法整備も重要な課題となっている。
自動運転車は、技術だけでなく法整備も重要な課題となっている。

「SDV(自動運転車)は、英国の偉大な成功事例であり、他の多くの国に対して競争上の優位性を持っています。しかし、もし政府が次の総選挙の前に、次の議会で法案を提出しなければ、その苦労は水の泡になりかねません」

「SDVの普及は、その安全性やセキュリティに対する国民の信頼、他の道路利用者への影響の可能性など、さまざまなハードルに直面しています。政府がSDVを普及させようとするならば、これらの厄介な問題に対処する必要があります」

「わたし達は、政府が慎重かつ段階的なアプローチをとるべきであり、SDV技術を導入するのは十分に定義された状況においてのみとすべきであると考えています。そうでなければ、意図しない結果を招く危険性があります」

委員会に所属する議員らは、自動運転車には「有能で注意深い人間のドライバーと同等の安全レベルが期待される」という政府の案に疑問を呈し、「あまりにも弱く、漠然としている」と指摘している。

委員会はまた、自動運転車が普及した世界における人間の運転について戦略を打ち出すべきであり、これには運転免許試験の変更や、自動運転車に対する理解促進のための計画も含まれると述べた。

自動運転車の法的責任は、所有者と車両オペレーターの間で共有されるため複雑になると見込まれる。委員会は政府に対し、この点についてより深く検討するよう勧告した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事