乗り心地と操縦性の変化は? トヨタ・スープラ 3.0(RZ) 長期テスト(1) FRでMTという希少な1台

公開 : 2023.11.18 09:45

MT化による乗り心地と操縦性の変化は?

しかし、最も確かめたいのが乗り心地と操縦性。トヨタはMT版のために、アダプティブダンパーとパワーステアリングを再調整している。アンチロールバーのブッシュも、専用品が組まれているという。

当初のスープラへの試乗では、予想以上にしなやかな乗り心地を褒めた。だが、荒れた路面での姿勢制御や、ドライバーとフロントタイヤとのダイレクトな結びつきの印象は、肯定的なものではなかった。

トヨタ・スープラ 3.0(RZ) マニュアル(英国仕様)
トヨタ・スープラ 3.0(RZ) マニュアル(英国仕様)

その変化を、グレートブリテン島の過酷な道で確かめたい。筆者の自宅がある中部のミッドランズ地方には、走りがいのある道が多い。

アナログなスポーツカーとして、動的特性の仕上がりも気になる。オールドスクールなフロントエンジン・リアドライブにマニュアルという組み合わせを、提供している自動車メーカーは限られる。

理想的なドライビング体験に適った、ドライブモードはどれだろう。タイヤの空気圧も影響してくるはず。自分のクルマならまだしも、通常の試乗では、これらを確かめていく機会は限られる。こんなことを気にしたくなる、乙なクルマも少なくなっている。

英国のスープラは、ベースグレードとプロの2種類。6速MTを選ぶ場合は、英国ではベースグレードに限定される。レザーシートも高音質なオーディオも、アダプティブ・クルーズコントロールも付いていない、シンプルな内容だ。

それでも、標準装備に不満はない。スープラの魅力を改めて確かめるべく、沢山運転したいと思う。

セカンドオピニオ

並行開発されたBMW Z4は、グランドツアラー色が強く穏やかで柔らかい。クルマの特性を考えれば、それで構わない。

他方、クーペボディにGRのエンブレムを備えたスープラは、ドライバーズカーとして魅力を高めることができると考えてきた。MTが一層の刺激をもたらすと、マット・ソーンダースは感じ取れるだろうか。 フェリックス・ペイジ

トヨタ・スープラ 3.0(RZ) マニュアル(英国仕様)
トヨタ・スープラ 3.0(RZ) マニュアル(英国仕様)

テストデータ

価格

モデル名:トヨタ・スープラ 3.0(RZ) マニュアル(英国仕様)
新車価格:5万4630ポンド(約988万円)
テスト車の価格:5万5280ポンド(約1000万円)

オプション装備

プレミアム・ソリッド塗装 プロミネンスレッド:650ポンド(約12万円)

テストの記録

燃費:11.4km/L(WLTP値)
故障:なし
出費:なし

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト トヨタ・スープラ 3.0(RZ)の前後関係

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