ホンダe:Ny1 詳細データテスト 日常使いはイージー 走りの楽しさは不足気味 ライバルより高価
公開 : 2023.11.11 20:25 更新 : 2023.12.12 21:20
意匠と技術 ★★★★★★☆☆☆☆
スタイリングにはなじみがあるだろう。ベースはHR-V、日本で言うところのヴェゼルだからだ。外寸もほぼ同じで、この2台の関係は、メルセデスでいうところのGLBとEQBのようなものだ。それでも、見分けるのはさほど難しくないはずだ。
たとえばグリル部分はソリッドなパネルになり、ホイールはマルチスポークデザインが標準仕様だ。バータイプのテールライトを備えるリア周りに変化は少なく、リアのドアハンドルをCピラーに組み込んで3ドア風に見せる処理はヴェゼルと同じだが、EV版はよりノイズレスなエクステリアとなった。
ベースは、ホンダの新世代プラットフォームであるe:NアーキテクチャーF。今後はBセグメントEVにも使用される予定で、駆動輪である前輪の上にコンポーネントをうまくパッケージングしている。小回りや積載能力で秀でたところはなくても、このホイールベースから想像するより長くて広いキャビンを実現している。
モーターは204ps/31.7kg−mで、1756kgのテスト車は公称の0−100km/hタイムが7.6秒、最高速度が160km/h。エントリーグレードのエレガンスは、車両重量が1733kgとなる。バッテリーパックのサイズを考えれば軽いが、これはハイテン材の使用範囲の広さによるものだ。
そのバッテリーパックは、水冷の68.8kWhで、フロア下を占有している。WLTP値の航続距離は412kmだが、ライバルの多くが採用するヒートポンプを積まないので、寒い日にはこれよりかなり落ち込みそうだ。最大充電性能は控えめな78kW。それでも、満タンが近づいても充電速度の低下が少ないので、ライバルより早くフルチャージできるというのがホンダの言い分だ。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク。ダンパーもスプリングもパッシブだ。