ホンダe:Ny1 詳細データテスト 日常使いはイージー 走りの楽しさは不足気味 ライバルより高価
公開 : 2023.11.11 20:25 更新 : 2023.12.12 21:20
操舵/安定性 ★★★★★☆☆☆☆☆
e:Ny1に目立って運転しにくいところはないのだが、ハンドリングからは地味でも満足感を覚えるようなところがほぼ抜け落ちている。ホンダであれば、シビックにはそれがある。ライバルなら、出来のいいカローラとシャシーの一部を共用するトヨタbZ4Xにはそれが感じられた。
あるテスターが、こんな感想を書き留めていた。控えめなグリップと重いステアリングは、電動車が数字優先で、ドライビングの味みたいなものは二の次にしていた頃に戻ったようだ、と。
小柄で軽めのクロスオーバーにレスポンスのいい電動パワートレインを積んだら、ハンドリングはこれよりいいものになって然るべきところだ。しかも、メーカーは傑作ハンドリングマシンを何台も世に送り出してきたホンダなのだ。ホンダEでさえ、ワインディングを飛ばすような場面ではもう少し冴えのある元気な身のこなしを見せてくれた。
ところが、e:Ny1は、進行方向を変えるのに、望ましいものよりも大きな負担をドライバーに強いる。わずかながらも否定できない、ぎこちなさがそこにはあるのだ。
露骨にやる気を削ぐようなところは一切ない。ボディコントロールは良好で、ステアリングもやや重いが正確さは期待どおり。トラクションには問題があるものの、運転しづらく疲れるようなクルマではない。とはいえ、光るところもない。
付け加えるなら、ステアリングの中立付近には、もうほんの少しだけダイレクトな反応がほしい。そうすれば、低速での取り回しが改善されるはずだ。