VW初の電動セダン

ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンは、新型EV「ID.7」の英国価格を公開した。初期限定の発売記念モデルで5万5570ポンド（約1030万円）からとされている。

発売記念モデルのID.7プロ・ローンチ・エディションには、19インチアルミホイール、15.0インチのインフォテインメント・システム、フロントシートヒーターが標準装備され、無料の家庭用充電器と750ポンド（約14万円）分の公共充電サービスが付属する。

英国向けの他のモデルの価格はまだ発表されていないが、より安価なグレードが設定されると予想されている。

ID.7は、フォルクスワーゲン初の電動セダンとして今年初めに発表された。新開発のソフトウェア、長距離走行を重視したドライビング・ダイナミクス、最長700kmの航続距離を誇る。今秋に欧州と中国で発売され、2024年には米国でも発売予定。

バッテリーは2種類用意される。77kWh容量では航続距離615km、最大170kWの充電が可能。0-100km/h加速は約6.0秒である。

ボディサイズは全長4961mm、全幅1862mm、全高1538mm、ホイールベース2966 mmと、パサートに近いサイズ感となっている。

上級クラスのインテリア

インテリアは実用性を重視する一方、ボタンを押すだけで不透明から透明に切り替わるパノラマサンルーフ、マッサージシート、拡張現実（AR）ヘッドアップディスプレイ、15.0インチの大型タッチスクリーンなど、快適装備を数多く搭載している。

トランク容量は532Lで、ライバルのBMW i4とテスラ・モデル3を上回る。

フォルクスワーゲンは、最新世代の車載システム「MIB」の使いやすさを強調している。タッチスクリーン上部には、主要な機能に素早くアクセスできるダイレクトアクセスバーが新たに設けられた。例えば、使用中のアプリを閉じることなくメインメニューを開くことができ、ホーム画面では使用頻度の高いアプリを表示するよう設定することもできる。

また、室内温度とメディア音量を調節するタッチスライダーは、夜間でも操作しやすいよう照明付きとなっている。

ステーションワゴン版も登場

フォルクスワーゲンはまた、ステーションワゴン版のID.7ツアラーのプロトタイプを公開している。

トランク容量は通常時で545L、リアシートを倒した状態で1714Lと、いずれも現行型パサートより大きい。フォルクスワーゲンによると、トランクの長さ（荷室長）は2mあるという。

航続距離を最大化するため、ボディは空力性能に重点を置いており、スムースなフロントバンパー、リアリップスポイラー、フラッシュ式ドアハンドルを採用。これにより、空気抵抗係数を表すCd値は0.24と、セダンよりわずか0.1高い程度に収めている。

画像　パサート級の次世代電動セダン【フォルクスワーゲンID.7を写真でじっくり見る】　全20枚