プラグインHVよりオススメ プジョー408 ピュアテック130 GTへ試乗 ファストバックxSUV

公開 : 2023.11.22 19:05

ピュアテック130の方が明らかに好ましい

他方、リアシートより後ろの車内は、308と大きく異なる。107mmもホイールベースが長く、足元まわりはクラス上の508より広い。ルーフラインがクーペ風に傾斜しているものの、背もたれの上までは高さが保たれ、上下方向も見た目以上にゆとりがある。

荷室容量は536L。かなり広いといっていい。プラグイン・ハイブリッドでは、471Lに狭まる。

プジョー408 ピュアテック130 GT(英国仕様)
プジョー408 ピュアテック130 GT(英国仕様)

試乗車には、10本のスピーカーと690Wのアンプで構成される、フォーカル社製のハイファイ・オーディオが組まれていた。600ポンド(約11万円)のオプションだが、それに納得するほど音質は素晴らしかった。

今回は、英国の一般道でプラグイン・ハイブリッドの408も短時間運転したが、印象は内燃エンジン版のピュアテック130の方が明らかに好ましい。英国編集部としては、こちらをオススメしたい。

車重は1392kgと軽く、130psでも0-100km/h加速を10.4秒でこなせる。8速ATの望ましいギア比によって、数字以上に鋭く思えた。

3気筒エンジンは気持ち良く回り、ノイズも適度にスポーティ。限られたパワーをしっかり引き出すことを、楽しく感じさせる。ドライブモードは、スポーツ・モードが最適。8速ATのシフトマナーも、若干滑らかになるようだ。

燃費は、少し意欲的に運転しても 15.0km/Lを超えていた。サイズを考えれば、褒められる結果だろう。

定評あるパワートレインを個性的な容姿で包む

プラグイン・ハイブリッドより300kgも軽いため、乗り心地や操縦性の面でもメリットを得ている。加減速時のピッチや、旋回時のロールが小さく、カーブの連続する区間を軽快に運転できる。回頭性も鋭い。乗り心地も、僅かにしなやかさを増している。

シンプルなパワートレインなだけに、価格も魅力的。英国の場合、ピュアテック130のGTグレードで3万4650ポンド(約627万円)となる。ハイブリッド225のGTグレードより、1万ポンド(約181万円)以上安い。

プジョー408 ピュアテック130 GT(英国仕様)
プジョー408 ピュアテック130 GT(英国仕様)

408が、シトロエンC5 Xより若干お高めなことは事実ではある。それでも、定評のあるパワートレインを個性的なスタイリングで包んだ、新しいプジョーの訴求力は低くないといえる。

プジョー408 ピュアテック130 GT(英国仕様)のスペック

英国価格:3万4650ポンド(約627万円)
全長:4687mm
全幅:1848mm
全高:1478mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:10.4秒
燃費:14.5-17.0km/L
CO2排出量:136g/km
車両重量:1392kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:130ps/5500rpm
最大トルク:23.5kg-m/1750rpm
ギアボックス:8速オートマティック(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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