出番は来ない方が良い ランドローバー SASローバー ミネルバ・ブラインド 特殊部隊のシリーズ1(2)
公開 : 2023.11.26 17:46
非常に高い走破性に驚かされる
1967年12月13日に退役。グレートブリテン島中部のノッティンガムシャー州ラディントンにある保管所へ送られ、2013年に英国人コレクターが購入している。
2年間の丁寧なレストアを経て、復活を果たした。4×4ブラインドより年式は新しく、ダッシュボードのレイアウトが僅かに異なる。メーターは、速度計と、アンペアと燃料計が一体の2枚だ。とはいえ、それ以外は共通する。
フロントガラスはなく、ドライバーの上半身は露出し、50km/hで走ることすら勇気がいる。ステアリングホイールは、挑戦的なほど曖昧だ。
乗り心地は、車重の重い4×4ブラインドの方が有利に思えるが、SASローバー Mk3の方がホイールベースは長く明確な違いはない。少なくとも、どちらもオンロードでは驚くほどしなやか。
全体的な印象としては、SASローバーの方が洗練度が高い。エンジンノイズは小さく、ボディ剛性も勝っている。
石灰質のオフロードへ挑むと、極めて高い走破性に驚かされる。ミネルバは、ランドローバーが備える能力もしっかり複製している。
黄色いレバーを押し下げて四輪駆動へ切り替え、赤いレバーを引いてローレンジに入れる。細かい砂の浮いた滑りやすい急斜面を難なく登り、下り坂でも安定している。
あやふやなステアリングも、不整地では安心感が高い。ただしセルフセンタリング性は低く、素早く切り戻す必要がある。最大トルクは13.9kg-mと細いものの、キビキビと軽くないボディを先へ進める。
場所を問わず優れた能力を発揮したはず
この2台が現地でどんな戦いへ挑んできたのか、今では想像するしかない。運用履歴は、機密にされている。非力でも機敏に走るから、場所を問わず優れた能力を発揮したことだろう。
少なくとも、不足ない火器を装備し、特殊部隊の頼もしい相棒になったのではないかと思う。こんなクルマの出番は、来ない方が望ましいとしても。
協力:グッドウッド、マーク・ゴールド氏、ジョナサン・ギル氏、ジョン・マストランジェロ氏、 ジュリアン・ショールハイファー氏
ランドローバー・シリーズ1がベースの2台のスペック
ランドローバー・シリーズ1 4x4 ゼネラルサービス SASローバー Mk3(1954〜1957年/英国仕様)
英国価格:−ポンド(新車時)/10万ポンド(約1810万円)以下(現在)
生産数:10台
全長:3570mm
全幅:1550mm
全高:−mm
最高速度:−km/h
0-64km/h加速:24.4秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:2134kg
パワートレイン:直列4気筒1997cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:52ps/4000rpm
最大トルク:13.9kg-m/1500rpm
トランスミッション:4速マニュアル(四輪駆動)
ミネルバ・シリーズ1 4×4ブラインド・パラシュート偵察車(1952〜1953年/欧州仕様)
英国価格:−ポンド(新車時)/3万ポンド(約543万円)以下(現在)
生産数:30〜60台(予想)
全長:3350mm
全幅:1550mm
全高:−mm
最高速度:−km/h
0-64km/h加速:−秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:2284kg
パワートレイン:直列4気筒1997cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:52ps/4000rpm
最大トルク:13.9kg-m/1500rpm
トランスミッション:4速マニュアル(四輪駆動)
画像 特殊部隊のシリーズ1 ランドローバー SASローバー ミネルバ・ブラインド 初代ジープと新型ディフェンダーも 全121枚