スウェーデンから電動スーパーカー? 全長4.65m、学生考案の高性能EV 市販化に「手応え」

公開 : 2023.11.14 18:25

・学生デザインコンテストから生まれた電動スーパーカーが市販化の可能性。
・スウェーデンのポールスター、市販化に前向きな姿勢を示す。
・シュモクザメにヒントを得た、一人乗りの大胆デザイン。

ポールスター、市販化に自信

スウェーデンの自動車メーカーであるポールスターは、9月に公開したスーパーカー・コンセプト「シナジー」を将来的に発売する可能性がある。学生デザインコンテストから生まれたものだが、実現すれば同社初の市販スーパーカーとなる。

ポールスターのデザイン責任者であるマキシミリアン・ミッソーニ氏は、シナジーに対する「魅力的で前向きな反応」と、市販化を実現できる「チームの能力」を受け、前向きな姿勢を示した。

9月のIAAモビリティ2023で公開されたシナジー・コンセプト
9月のIAAモビリティ2023で公開されたシナジー・コンセプト    AUTOCAR

「実際にやると言っているわけではありませんが、やりたいと思っています」とミッソーニ氏。仮にシナジーが量産されるとしたら、新開発のアルミニウム製プラットフォームではなく、モノコックをベースにするだろうという。

ミッソーニ氏は、ポールスターにはスーパーカーを生み出す「力」があり、「ブランドの向かう先を見るのはエキサイティングで刺激的だ」と語った。

シュモクザメにヒント得た一人乗りデザイン

シナジーは、学生デザインコンテストで作られた3つのモデルを組み合わせた「ファンタジー・スーパーカー」として、9月開催のIAAモビリティ2023で発表された。

コンテストに応募した600名から、最終的に3名の受賞者が選ばれた。フランスを拠点とする学生2名がエクステリアを、中国の1名がインテリアを担当した。

ポールスター・シナジー・コンセプト
ポールスター・シナジー・コンセプト    ポールスター

3名はポールスターのデザインチームとともに6か月間作業を行い、全長4.65m、全高1.07mのコンセプトカーを完成させた。堂々と張り出したフェンダー、大型のフロントスプリッター、ドラマチックなリアライトバーが特徴だ。

ポールスターによると、エクステリアデザインはシュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)からインスピレーションを得ており、さらに「エモーショナルな力強さ」と「技術的なアップグレード性」を備えているという。

シングルシートを採用したインテリアは「パフォーマンス志向」とされる。レーシングハーネスやデジタルバイザーディスプレイのほか、バッテリー残量や外気温といった情報を表示する多数の小型スクリーンが装備されている。

従来のダッシュボードとは異なるフローティング式のデジタルディスプレイが採用され、ヨーク型ステアリングホイールには独自のディスプレイが備わる。

具体的な量産化計画はないが、ミニカーブランドのホットウィールとのコラボレーションが発表されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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