乗用車で世界初の風洞実験 1930年代の最先端 ランチア・アプリリア 英国版中古車ガイド(1)

公開 : 2023.12.02 17:45

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ランス・バット氏の父、ジェラルド・バット氏は、英国のランチア・モーター・クラブを創設したメンバーの1人。素晴らしいコレクションを有し、その情熱は息子へ受け継がれたようだ。

「幼い頃からランチアへ関わってきましたが、最近徐々に好きな気持が増してきました」。とランスが話す。「このアプリリアは、オーストラリアで見事にレストアされた車両で、走りは新車のようです」

ランチア・アプリリア(1936〜1949年/欧州仕様)
ランチア・アプリリア(1936〜1949年/欧州仕様)

「アプリリアは、かなり過小評価されていると思います。現代の交通に紛れても快適に運転でき、1950年代のアウレリアより軽く、魅力に溢れています。2022年には、これでスコットランドへドライブしました」

「ツインチョーク・ウェーバーキャブへ改造していて、100km/h程度でも快適に走れます。トランスミッションにはシンクロメッシュがありませんが、心配不要。シフトレバーをゲートへ倒すだけで、滑らかに変速できます」

「家にはルッソ仕様もあります。プラットフォーム・シャシーをベースにしたスパイダーも。2023年には、グッドウッド・フェスティバルへそのクルマで参加しました」

英国で掘り出し物を発見

ランチア・アプリリア(英国仕様)

登録:1949年式 走行:−km  価格:4万5995ポンド(約832万円)

最終年式の英国仕様。セカンドシリーズで、僅かにパワフルな1486cc V4エンジンを搭載する。2012年に以前のオーナーがアメリカへ運び、ワシントンで当時6万ドルを費やしレストアされている。

ランチア・アプリリア(1949年式/英国仕様)
ランチア・アプリリア(1949年式/英国仕様)

エンジンは、最近リビルド済み。バンパー下のウインカー・ユニットはカッコ良くないものの、完璧な状態にあるといっていい。

ランチア・アプリリア・アルデンヌ(欧州仕様)

登録:1938年式 走行:9万6600km 価格:1万1000ポンド(約199万円)

フランス・パリ郊外で眠っていた、初期のファーストシリーズ。英国のランチア・コレクターが2013年に購入し、フロアやサイドシル、ドアなど、大部分のボディのレストアは完了しているという。降ろされたエンジンも、回転する状態にある。

インテリアはチェック柄のクロス。こちらも大部分が組み上がっているといい、最後の仕上げに関わるのも悪くなさそうだ。

中古車購入時の注意点などは、ランチア・アプリリア 英国版中古車ガイド(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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