ルノーが新型トゥインゴを電撃発表 日本の「軽」にヒント得た小型EV、2026年発売へ
公開 : 2023.11.16 19:25
・ルノーが15日、新型トゥインゴのコンセプトモデルを公開。
・新会社アンペアが開発する、2万ユーロ以下の小型EV。
・日産や三菱向けの新型EVも作るアンペアとは?
手頃な次世代EV、2026年投入へ
フランスの自動車メーカーであるルノーは11月15日、小型の新型EVとしてトゥインゴのコンセプトモデルを公開した。2026年頃に2万ユーロ(約330万円)以下で発売される見込みだ。
ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOは、新型トゥインゴを「持続可能なモビリティのための “銀の弾丸(決め手)”」であり、手頃な価格のEVを追求する同社にとって重要な存在であると述べた。
新型トゥインゴは2026年の市場投入に向け、欧州で開発が行われる。デ・メオCEOは開発には外部のパートナー企業を起用する可能性もあるとし、また価格面では中国のライバルに匹敵するとした。
デ・メオCEOによると、トゥインゴの生産コストは新型CセグメントSUVよりも50%低くなるという。これは、材料使用量の削減と、ソフトウェア主導型の車両開発によるものとされている。1993年に発売された初代トゥインゴと同様に、新型もルノーブランドの「根幹をなすクルマ」であるという。
外観としては、初代を彷彿とさせるレトロなシルエットに、現代的なデザイン要素を採り入れたスタイリングが特徴的だ。
これまでのところ、ルノーはトゥインゴについて「妥協のない、目的に合った都市型車両」と説明するにとどめており、詳細はほとんど明かされていない。
「2023年に販売される欧州の平均的な内燃エンジン車」よりも、10km/kWhという高効率のパワートレインと、製品ライフサイクル全体(生産から廃車まで)のCO2排出量を75%削減するという。
オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ誌が以前報じたところによると、トゥインゴはスロベニアのノヴォ・メストにあるルノー工場で生産される可能性があるようだ。
日産・三菱も投資する新会社「アンペア」とは?
ルノーはまた、傘下のEV部門アンペアを2024年前半に上場させると発表した。2031年には7車種を投入し、売上高250億ユーロ(約4兆円)を目指す。アライアンス・パートナーの日産と三菱も合計8億ユーロ(約1300億円)をアンペアに投資する予定で、半導体大手クアルコムも投資を検討中だという。
アンペアは11月1日に設立されたばかりの新会社で、欧州でEVの設計、エンジニアリング、生産を行うが、製品はルノーブランドから販売される。従業員数は約3万5000人。
重点を置くのは、EVと内燃エンジン車の価格を同等にすることである。既存のルノー・グループのEV専用プラットフォームを2つ使用し、BセグメントとCセグメントのモデルに注力する。ルノー5、ルノー4、トゥインゴなどのBセグメント車はAmpRスモール・プラットフォーム(旧CMF-BEV)を、メガーヌやセニックなどのCセグメント車はAmpRミディアム・プラットフォーム(旧CMF-EV)を採用する。
「メガーヌとセニックの後継車」と呼ばれる第2世代のCセグメント車も2027/28年までに登場する予定で、車両1台あたりのバッテリーコストを50%削減、パワートレインとプラットフォームのコストを25%削減、車両上部のコストを15%削減するという。また、生産・物流コストを半減させるために業務改善に取り組むとしている。
メガーヌは現在販売中で、セニックもまもなく欧州で発売される。ルノー5は来年早々に、ルノー4は2025年に、トゥインゴは2026年に発売される見込みだ。
アンペアによると、その後、第2世代EVとしてさらに2車種を投入し、2031年までに欧州向けEVラインナップは7車種に増えるという。年間販売台数については現在の約30万台から約100万台への増加を狙う。