ルノーが新型トゥインゴを電撃発表 日本の「軽」にヒント得た小型EV、2026年発売へ
公開 : 2023.11.16 19:25
欧州市場に特化したトゥインゴ
アンペアはSDV(ソフトウェア定義型車両)の開発に注力し、部品点数を減らすことで大幅なコスト削減が可能になるとした。デ・メオCEOは、同社初のSDV(トゥインゴの可能性が高い)はコスト面で「テスラと同等で、中国ブランドにも匹敵する」と語った。
デ・メオCEOはまた、アンペアが欧州市場に注力することで、中国製EVよりも優位に立てる可能性があると示唆した。
「ソフトウェア使用の文化的側面を過小評価してはいけない」とデ・メオCEOは述べ、その主な例としてセキュリティを挙げた。欧州のスマートフォン市場では、プライバシーへの懸念から中国製携帯電話離れが進んでいる。
「セキュリティだけでなく、アクセスの改善も重要です。機能性、経済性、サービス性を備えた文化でもあるのです」
「当社のSDVは欧州のニーズに基づいており、欧州のお客様がコネクティビティを重視することは分かっています。だからこそ、自動運転に多額の投資はせず、レベル2+を目指しているのです。わたし達は、この分野で先走ることにリスクがあると考えています」
アンペアはまた、高性能車ブランドであるアルピーヌ向けに2車種のEVを開発・生産し、さらに日産向けに新型マイクラ(マーチの海外仕様)を開発する。そして三菱にも「グローバル」な新型Cセグメント電動SUVも生産するとしている。
トゥインゴは日本の「軽」に影響された?
デ・メオCEOによれば、トゥインゴに大きなインスピレーションを与えたのは、ボディサイズと出力が厳格に規制された日本の軽自動車だという。昨年日本で販売された新車420万台のうち、3分の1以上(約163万台)が軽自動車だった。
「わたしは、日本の軽自動車というコンセプトを欧州の言葉に翻訳するというアイデアがとても気に入っています。そのようなコンセプトには知恵(intelligence)があると思うからです。製品だけの問題だけでなく、効率的で低負荷のヒューマンモビリティを実現するための、製品+規制(の問題)なのです」
ルノー・グループはすでに、ダチアからAセグメント車のスプリングを発売している。フランスでの価格は、補助金付きで1万5800ユーロ(約260万円)からで、最高速度100km/h、1回の充電での航続距離は225km。最高出力45ps、最大トルク12.7kg-mの電気モーターと26.8kWhのバッテリーを搭載する。
ダチア・スプリングは中国市場向けのルノー・シティK-ZEをベースにしており、プラットフォームはCMF-Aを使用している。
トゥインゴのようなクルマの影響力と重要性について、デ・メオCEOは次のように語っている。
「わたしは今、欧州自動車工業会の会長を務めています。わたし達は、業界にとって正しくないと思われるいくつかの事柄と戦っています」
「しかしその一方で、大気質から脱炭素化まで、問題に解決策をもたらさなければならないことも認識しています。そして、サブDセグメント、あるいはAセグメントのクルマを低負荷で生産できることは、おそらく欧州産業がもたらすことのできる解決策の1つだと思います」