ポルシェ 新型「ボクスター」の生産計画を固める EVとガソリン車、並行販売へ

公開 : 2023.11.20 06:05

・現行型718ボクスター/ケイマンと並行して、2025年から新型EVを生産。
・ツッフェンハウゼン工場を大幅改修し、EVとの同時生産に対応。
・中身の異なる2種類の718が登場?

現行型718と新型のEV、同時に生産

ドイツの自動車メーカーであるポルシェは、2025年に発売が予定されている新型電動スポーツカーの生産計画を固めた。このモデルは、718ボクスターと718ケイマンの後継車となる。

ポルシェは現在718が生産されているシュトゥットガルト市ツッフェンハウゼンの工場で2億5000万ユーロ(約400億円)を投じた大規模な改修工事を開始した。AGV(無人搬送車)を用いた「フレキシライン」と呼ばれる新しい生産方式を導入し、異なるパワートレインを使用する2種類のモデル、すなわち内燃エンジン車とEVを並行して生産できるようにする。

以前目撃された718ボクスターEVのプロトタイプ
以前目撃された718ボクスターEVのプロトタイプ    AUTOCAR

SUVのマカンでは、従来の内燃エンジン車と新型のEVを並行販売するが、718でも同様のアプローチをとることになる。ボディサイズやスタイリングなどは共有されるだろう。

718のEVプロトタイプは、以前にもテスト走行が目撃されている。ポルシェはコメントを避けているが、ミドエンジン車の特徴を模して設計された電動スポーツカー用プラットフォームが採用される見込みだ。

デザインとしては、先に発表されたミッションRコンセプトとライトなどのディテールが似ているが、サイドプロファイルは現行型ボクスターにかなり近い。

ミッションRコンセプトは、ミドエンジン・スポーツカーの設計を模倣しており、最も重い部品であるバッテリーをドライバーの後ろ、通常はエンジンがあるリアアクスル前方に配置している。市販モデルにもこれと同様のレイアウトが採用される可能性が高い。

ポルシェは、2025年に世界販売台数の50%、2030年には80%をEVとする計画だが、911やカイエンに相当するEVモデルの発売時期はまだ確定していない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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