「本気」のオフロード仕様マスタング 米で実車公開 487馬力で悪路を往く、新型マッハEラリー
公開 : 2023.11.20 06:25
・フォードがオフロード走行に特化した市販モデル、マッハEラリーを公開。
・最高出力487ps、四輪駆動、専用シャシーチューニングの「本気」仕様。
・車高アップ、アンダーガード、フォグライト、ホワイトホイールを装備。
ラリー仕様の電動SUV
米国の自動車メーカーであるフォードは、11月17日にロサンゼルスで開幕した国際自動車展示会「LAオートショー」において、新型マスタング・マッハEラリーの実車を公開した。
EVのマスタング・マッハEにオフロード走行向けの専用チューンを施したモデルで、2024年初頭に発売される予定だ。
マッハEラリーは、2基の電気モーターによる四輪駆動方式を採用し、最高出力487psと最大トルク89.7kg-mを発生する。オフロード走行を想定し、車高は標準車より20mm高く、専用設定のスプリングとショックアブソーバーにより走破性を高めている。ホワイトの19インチ・ラリー用ホイールに、ミシュランのクロスクライメートを履く。
走行モードには独自の「ラリースポーツ」が用意され、リニアなスロットル・レスポンスによる加速コントロールの向上、よりアグレッシブなダンピング、滑りやすい路面でのトラクション確保が図られる。また、トラクションとスタビリティ・コントロール・システムを「より大きなスライドができるように」調整するという。
容量91kWhのバッテリーと電気モーターは、厚いアンダーボディシールドによって岩や段差から保護されている。フロントバンパーには2つのフックが内蔵され、「冒険がちょっとスパイシー」になったときに備えている。
フォードによると、マッハEラリーのスタイリングは伝説的なホットハッチ、フォーカスRSからインスパイアされたもので、特に「ドラマチック」なリアスポイラーが特徴的だという。
その他のユニークな要素としては、力強いフロントスプリッター、ブラックのルーフパネル、ラリースタイルのフォグライト、レーシングストライプなどが挙げられる。
インテリアでは、ホイールと同じホワイトを随所にあしらい、専用バッジとスポーツシートを備えている。
1人のクルマ好きのアイデアがカタチに
フォードのEV開発を統括するダレン・パーマー氏は取材に対し、マッハEラリーのアイデアは、新しい社内チーム「Always On」のラリークロス愛好家から得たものだと語った。
同チームは、顧客やソーシャルメディアからのフィードバックを注視し、無線アップデートやモデルライン追加の開発に反映させることを目的に設立されたものだ。
「チームメンバーの1人がラリークロスをやっており、彼がアイデアを出したのです。『このクルマには伝統がある。ラリークロスのバージョンを作ったらどうだろう? 過去にやってきたことと合うのではないか』と」
「アイデアがあるなら試してみる、というのがわたし達の姿勢です。そして、彼ら(Always On)は純粋な情熱でモデルを作った。ホイールを装着し、リフトアップした。そして、どんなクルマになるかをスタイリングした。わたし達は彼らに自由を与えたのです」
「そして、そのモデルを首脳陣に見せた途端、フォードが過去に行ってきたこと、そして人々が好きそうなことにとてもよく合っていると言われたんです」
パーマー氏は、同プロジェクトは構想から発表までの期間が約1年半という「ゴー・ファスト」プログラムの1つとされため、予想よりも早く結実したと説明する。「ものすごい速さでした」
マッハEラリーのプロトタイプは、本格的な「ラリー路面」でテストされたという。パーマー氏は性能の詳細について言及を避けたが、「十分な地上高を確保している」とし、極めて正確な加速制御と床下バッテリーの軽量化により、「ターマックでもその他の路面でも非常に安定している」と述べた。
生産予定台数や価格については未公表だが、最上位グレードのマスタング・マッハE GTが7万5000ポンド(約1390万円)であることを考えると、8万ポンド(約1485万円)前後になると予想される。
画像 まさかの市販化! ラリー仕様の専用設計【新型フォード・マスタング・マッハEラリーと標準車を写真で比較する】 全40枚