楽しすぎる… 公道もサーキットもOK、過激なスポーツカー 10選 軽さは正義

公開 : 2023.11.19 18:05

・サーキットでも大いに楽しめる公道走行可能な市販車を10台厳選。
・アリエルからケータハム、マツダまで車重1000kg前後の軽量マシン。
・英国編集部が選ぶ、最高に運転が楽しい「エゴ」なクルマとは。

公道でも楽しめる軽量スポーツカー

比類のない繊細なハンドリング、フィードバック、レスポンス、そしてカタログ値から想像されるよりも桁外れに高いパフォーマンス……。サーキットで最高に愉しませてくれるのはこういうクルマだ。

ハンドルを握って心から楽しみたいなら、質量を最小限に抑え、メカニカルな性能を最大限に引き出し、快適性という概念を置き去りにしなければならない。今回は、サーキットをとことん楽しめる実力を持ちながら、公道走行が認められている市販車を10台厳選して紹介したい。

英国編集部がサーキットを本格的に楽しめるライトウェイト・スポーツカーを紹介する。
英国編集部がサーキットを本格的に楽しめるライトウェイト・スポーツカーを紹介する。

基本的な条件として、車重1000kg以下で、人を惹きつけ、楽しませることに特化したクルマをピックアップした。多機能のインフォテインメント・システムや高級本革シート、エアコンなどには興味はないし、正直に言えば窓ガラスやルーフの有無も関係ない。

なお、スペック等は英国仕様に準じる。販売地域も英国で、一部、完売してしまった限定車もある。あらかじめご了承いただきたい。

1. アリエル・アトム4R

英国のアリエルが生んだ過激な1台。素人目には、第4世代となる現行型アトムは初代アトムによく似ている。つまり、子供用ジャングルジムとシングルシートを合体させた漫画のような姿だ。見事に無駄を削ぎ落とした作りや、ドライバーと楽しい時間を過ごすという焦点の当て方も似ているが、これまでで最も先進的でエキサイティングである。

4Rと呼ばれるバージョンではさらにパワーアップ。最高出力は320psから405psに増強されたほか、リモートリザーバー付きのオーリンズ製ダンパーが強化され、サーキット用スプリングまたはロード/サーキット併用スプリングと組み合わされる。

1. アリエル・アトム4R
1. アリエル・アトム4R

このフェザー級の4Rは、スーパーカーを斬り伏せてしまう小さな宝石だが、ターボブーストの到来を予測しないと “噛み付かれる” ことがあり、またブレーキをロックさせないように注意する必要がある。しかし、慣性が小さいため、スリップ、スライド、ロック、ロールをほとんど感じることなく、コーナーへの飛び込みや脱出ができる。フィードバックも明快で、重いステアリングが常に路面に意識を集中させ、ミドエンジンのバランスと鋭いスロットルが幅広い選択肢とエンターテインメントを与えてくれる。アトムは完全に没頭できるマシンであり、移動のたびに爽快で楽しい疲れを残してくれる。

2. ケータハム・セブン360R

不屈のケータハム・セブンの血統を受け継ぐこのクルマがなければ、ライトウェイト・スポーツカーの市場はまったく存在しなかっただろう。初代のロータス・セブンは、コリン・チャップマン氏が自動車業界に贈った最大の贈り物とさえ言えるかもしれない。1973年にケータハム・カーズがチャップマン氏の小型軽量モデルの権利を買い取ったが、それ以来、絶えず熱狂的なドライビング・エンスージアストを愉しませ、育んできた。

1.6Lのフォード製「シグマ」エンジンを搭載した310Rが廃止された今、360Rは現行ラインナップの中で最も魅力的なスイートスポットである。最高出力180psの2.0Lを搭載する360Rは、電光石火の速さとレスポンスを誇り、吸気音と排気音が、オンロードでの底なしのパフォーマンスをさらに加速させる。

2. ケータハム・セブン360R
2. ケータハム・セブン360R

そして、小さいながらもダイレクトで没入感のあるシャシーを操れる、コミュニケーション能力に優れたステアリングがあり、昆虫のような軽快さで方向を変え、美しく調整されたコントロールによりミリメートル単位の精度でコーナーへの進入と脱出の角度を指示することができる。公道用にチューニングされた360Sもあるが、360Rのコントロール性能とリミテッド・スリップ・デフは、特に日常の使い勝手にトレードオフがないため、余分な出費をしてでも購入する価値がある(セブンは毎日使うべきだ)。

もちろん、セブンにはもっと高価で速いモデルもあるし、チャーミングでスキニーな3気筒の170もある。しかし、スリル、没入感、手頃さのバランスという点で、360Rに匹敵するものはない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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