楽しすぎる… 公道もサーキットもOK、過激なスポーツカー 10選 軽さは正義

公開 : 2023.11.19 18:05

5. アリエル・ノマド

高級感や洗練性のDNAのかけらもないクルマが、なぜ試乗記で高評価を獲得できるのか? その答えはもちろん、他のどんなクルマよりも間違いなく大きな楽しみを提供してくれること、そして一部のマーケットに無視できないほど新鮮な風を連れてきてくれることである。2014年に登場したデューンバギーのようなアリエル・ノマドは、まさにそんなクルマだった。

公道でもサーキットでも、そして緩い地面でも、ノマドはその技術力と圧倒的なパフォーマンスにおいてセンセーショナルだ。非常にロングトラベルのボディコントロールに由来する乗り心地の良さもあり、また他ではなかなか見られないほど作りが美しい。

5. アリエル・ノマド
5. アリエル・ノマド

同等の金額で、純粋なドライビングプレジャーを最優先するなら、このクルマに勝るものはない。

6. ウェルズ・ヴェルティージュ

モータースポーツの歴史には、華々しくスタートしたものの、すぐに跡形もなく沈んでしまった英国の新興スポーツカーブランドが散見される。しかし、ウェルズとその快活なヴェルティージュにそのような運命が降りかかる可能性は低い。

記録破りの加速や肝をつぶすようなコーナリングフォースではなく、手に馴染むパフォーマンスと爽快なハンドリングを目指して設計された小型軽量のミドエンジン車であり、運転する喜びを感じさせてくれる。チューニングされたフォード製2.0Lデュラテックエンジンから211psを発揮し、わずか850kgの車重でハラハラさせることなく素早い加速を見せる。

6. ウェルズ・ヴェルティージュ
6. ウェルズ・ヴェルティージュ

ヴェルティージュで特に優れているのはハンドリングで、意思疎通のできるステアリング(非アシスト)と、しなやかなサスペンション・セットアップによって、路面に合わせて呼吸するように走ることができる。質量が少ないため、しなやかに、端正に路面を流れ、懐かしのロータス・エリーゼを思い起こさせる。

こぶりなサイズ感にもかかわらず、十分な快適装備と2人分のスペースを持ち、さらに洗練性と快適性が驚くほど高い。毎日楽しく過ごせるし、ドライブ旅行でも楽しめる。ウェルズは年間25台程度の生産を計画しており、価格は4万ポンド(約740万円)から5万ポンド(約930万円)の間なので、買い手を見つけるのにそれほど苦労はしないだろう。

7. BACモノR

同乗者はいらない。「ピュア」という言葉に新たな意味をもたらすドライビング・ポジションで、まるでフォーミュラ・レースのグリッドをそのまま走るかのようなフィーリングを与えてくれるBACモノRのようなクルマが、公道走行可能なクルマとして手に入るのだ。

BACの代表であるブリッグス兄弟は、先代モデルに似ているとしながらも、90%が新しくなり、車重も555kgとさらに軽量化したと語っている。それでも設計思想は同じで、チューブラー・スペースフレームの「セーフティセル」をカーボンファイバー製(グラフェン強化)パネルで覆い、各車輪にダブルウィッシュボーン式サスペンションを備える。ミドマウントのフォード製2.5Lエンジンと6速シーケンシャル・トランスミッション、後輪駆動方式はそのままで、質量の低下と347psの出力により、1トンあたり約612psというとんでもない出力重量比を実現している。

7. BACモノR
7. BACモノR

本稿執筆時点でモノRには試乗できていないが、標準のモノよりさらに強烈な走りをすることは想像に難くない。超精密サスペンションのおかげで路面の凹凸に邪魔されることなく、驚異的なスピードで、しかも経済的に走破するモノの能力には心から魅了される。この上なく強烈な体験だ。とはいえ、それなりのお値段はするもので、モノRはオプション装着前で20万ポンド(約3700万円)近くする。また、30台限定で、すでに売れ切れてしまっているという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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