メリットたくさんの2代目 トヨタC-HR ハイブリッドへ試乗 楽しい走り 乗り心地や燃費も◎

公開 : 2023.11.30 19:05

人気の小型クロスオーバー、C-HRが2代目へ 欧州では1.8Lと2.0Lが選べるHV 運転が楽しく乗り心地や燃費も良好 上質さを増したインテリア 英国編集部が評価

欧州では1.8Lと2.0Lが選べるハイブリッド

トヨタで販売数のトップ争いを繰り広げる、小型クロスオーバーのC-HR。2代目へモデルチェンジを果たしたが、同社がこのクルマへかける期待は大きい。

新しいC-HRは、動的特性と燃費、持続可能性へ焦点を向けて開発されたという。目を引くスタイリングも、強みの1つへ加えられている。

トヨタC-HR ハイブリッド・デザイン(欧州仕様)
トヨタC-HR ハイブリッド・デザイン(欧州仕様)

主な市場となるのが、英国も含む欧州。この地域で、年間16万台の販売を目標に掲げ、英国では1万6000台から1万8000台を捌く計画が組まれている。果たして、それは叶えられるだろうか。

前回試乗したのは、2.0Lエンジンのプラグイン・ハイブリッドだった。今回のC-HRは、ケーブルを繋いで駆動用バッテリーを充電する必要がない、トヨタ独自のハイブリッドシステム、THSの5世代目を搭載する方だ。

欧州仕様の場合、このハイブリッドには2種類が用意され、一方は1.8Lガソリンエンジンに電気モーターが組み合わされ、140psと18.7kg-mを発揮するもの。他方は2.0Lガソリンエンジンが組まれ、197psと20.8kg-mへ強力になる。

トヨタは、この2種類のうち1.8L版が英国の主力になると予想している。0-100km/h加速に要する時間は10.2秒で、こちらでの主なライバル、キア・ニロ・ハイブリッドと同等の動力性能を持つ。

2.0L版は、100km/hまで8.1秒で到達できる。市場によっては四輪駆動も選べるそうだが、グレートブリテン島にはやってこないという。

好印象な走り 乗り心地や燃費も良好

今回はどちらのハイブリッド版にも試乗したが、都市部での利用だけでなく、長距離移動にも余裕を持って対応できるようだ。ただし鋭い加速を求めると、荒っぽいエンジンノイズとフィーリングで、頑張る様子が伝わってくる。

意外にも2.0Lエンジンの方が、その主張は強い様子。そのおかげで、実際より遅く感じられてしまう。とはいえ英国の高速道路でも、難なく追い越し車線を走れるが。

トヨタC-HR ハイブリッド・デザイン(欧州仕様)
トヨタC-HR ハイブリッド・デザイン(欧州仕様)

サスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラット式でリアがマルチリンク式。設定を煮詰め、魅力的なドライビング体験を与えたと主張される。実際、先代と同様に、2代目もこのクラスでは走りの印象が特に良い。

適度な減衰力特性で、路面を問わず乗り心地はマイルド。低速域では若干落ち着かないものの、市街地のツギハギも高速道路の橋桁も、滑らかに凹凸は均らされる。

コーナリングも軽快。確かに都市部との相性が1番良いとはいえ、不足ないグリップ力と抑制されたボディロール、正確なステアリングが相まって、試乗したスペイン・イビザ島の郊外も軽快に駆け抜けてくれた。クロスオーバーとしては、運転が楽しい。

1.8Lでも2.0Lでも、燃費は良好。カタログ値では、前者が21.3km/L、後者が20.4km/Lとうたわれている。今回の試乗では山岳部を交えたルートを思いのままに運転して、平均で前者が19.4km/L、後者が21.3km/Lという感心する数字を残してみせた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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