メルセデス・ベンツGLEとGLEクーペにトップモデルAMG 63 Sが追加 ドルビーアトモスも搭載

公開 : 2023.11.21 11:45

新型のパワートレインは?

パワートレイン

メルセデスAMG社が完全自社開発した、最高出力612ps/最大トルク86.68kg-mを発揮するV型8気筒の4L直噴ツインターボエンジン「M177」が搭載される。砂型鋳造されたクローズドデッキのアルミニウムクランクケースに鍛造アルミニウム製ピストンを組み合わせることで、軽量かつ高強度なエンジンを実現したと語る。

また、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするナノスライド摩擦低減加工を施すことで、フリクションロスを低減した。

メルセデスAMG GLE 63 S 4マティック+/63 S 4マティック+クーペ
メルセデスAMG GLE 63 S 4マティック+/63 S 4マティック+クーペ

さらに、燃料を効率的に消費するために「コンフォート」モードで走行中、エンジン回転数が1000~3250回転で低負荷の際に、2/3/5/8番の4気筒を休止することで燃料消費量とCO2排出量を抑えることができる「AMGシリンダーマネジメント」も搭載する。

2基のターボチャージャーはV型シリンダーバンクの外側ではなく内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトとし、エンジンを可能な限りコンパクトにするとともに、ターボチャージャーへの吸排気経路を最適化することで、優れたレスポンスを実現したと同社は語る。

ISGはエンジンとトランスミッションの間に配置された、最高出力21ps/最大トルク25.49kg-mを発生する電気モーターで、オルタネーターとスターターの機能も兼ねている。この電気モーターと「48V電気システム」により、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電する。

エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と、力強い加速を実現すると語る。スターターが高出力な電気モーターとなることで、エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップの際の再スタートの快適性も向上したという。

アイドリング時には、電気モーターの充電電流を調整することで、エンジン回転数を低回転で安定的に保つことを可能にし、効率性/快適性/静粛性に寄与する。さらに、このモーターはシフトチェンジ時にも使用され、エンジンが理想的回転数に達するまでの時間を最小限に抑えるためのアシストも行う。これによりシフトチェンジに必要な時間が短縮され、スムーズでタイムラグの少ないシフトチェンジを可能にした。

AMGの走りを支える足回りは?

スイッチ操作1つでエンジンやトランスミッションの特性を切り替えるダイナミック・セレクトの中に「オフロード」モードが加えられ「オフロード」モードでは、トランスミッションが切り替わり、雪道や悪路での走破性を高める。また「DSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)」も備えており、急な下り坂での安定した走行をサポートする。

AMGが開発した四輪駆動システム「AMG 4マティック+」

高性能エンジンのパワーを四輪に最適配分するメルセデスAMGが開発した四輪駆動システム「AMG 4マティック+」を搭載し、走行状況に応じて、前後100:0から前後0:100の範囲で可変トルク配分を行うことで、ハイパワーを四輪へ最適に配分するという。発進時/高速走行/ハイスピードコーナリング/コーナーの立ち上がり加速などにおいて絶対的な安定性を誇り、思いのままのドライビングを楽しむことが可能と表現した。

メルセデスAMG GLE 63 S 4マティック+/63 S 4マティック+クーペ
メルセデスAMG GLE 63 S 4マティック+/63 S 4マティック+クーペ

また「電子制御AMGリミテッド・スリップ・デフ」を装備し、走行状況に応じてロッキング機構を電子制御することでトラクションを高め、コーナー出口での加速タイミングを早める/ブレーキング時の安定性を高める/発進加速時のトラクションを高めるなどの効果を発揮する。

サスペンション

マルチチャンバーを備えた「AMGライド・コントロール+エアサスペンション」を標準装備。コーナリング時やブレーキング時には、硬いスプリングレートに瞬時に切り替えることで、高い安定性と思いのままの俊敏なハンドリングを実現したという。さらに、走行状況に合わせて四輪それぞれを電子制御する連続可変ダンピングシステムを採用した。ボタンを押すことで車高を上げ、駐車場のスロープなどでも気を遣わずに運転することが可能になる。

最適なトラクションを実現する「AMGアクティブ・ライド・コントロール」

高いアジリティとニュートラルなコーナリング、最適なトラクションを実現する「AMGアクティブ・ライド・コントロール」を採用した。前後アクスルそれぞれに配されたアクチュエーターが独立して動き、車体の安定化を図る。電気機械式でレスポンスが
速く、1秒あたり1000回の頻度で路面の状態に対応した制御を行うことが可能だという。

これにより、直進時にはしなやかな足回りによる快適な乗り心地を発揮しながら、コーナリングや車線変更時にはロールを効果的に抑制し、より快適でダイナミックなドライビングが可能となったという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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