VWの資金で磨かれた技術 ランボルギーニ・ディアブロ ムルシエラゴ 歴代4モデルを比較する(2)
公開 : 2023.12.03 17:46
VWの潤沢な資金で磨かれた技術
インテリアも、ボディと同様に進化。乗降性は改善し、空間にはゆとりが生まれ、内装の設えはフェラーリ水準へ。アウディの部品が部分的に用いられ、品質も高かった。
スチール製スペースフレームと、ウィッシュボーン式のサスペンション、縦置きのV型12気筒エンジンなどは、ディアブロやカウンタックに通じる要素といえた。それでも、潤沢な資金によって技術的には磨かれていた。
ハニカム構造のカーボンファイバーが、シャシーを強化。ルーフとドア以外のボディパネルとフロアパンも、カーボンで成形された。
エンジンはドライサンプ化され、新しい可変バルブタイミング機構を獲得。排気量は6192ccへ増え、重心高は50mmダウン。コンピューター制御によるABSとトラクション・コントロール、四輪駆動システムが、579psの最高出力を受け止めた。
最高速度は331km/hへ到達。シャシー剛性はディアブロ VTから60%増しでありながら、車重は25kg増に留めた。
ムルシエラゴという名前も、ディアブロと同じく雄牛が由来。その牛は1879年のコルドバの闘牛場で、24回の攻撃を受けても戦い続けたという。
路上での印象は、数字以上に軽快。バイワイヤで制御されるスロットルは、従来のインジェクション・ユニットでは想像できない緻密さで、エンジンの回転を司る。6速マニュアルのシフトレバーも、思いのままにスライドできる。
ギア比のクロス感も絶妙。トルクカーブは唸るほどフラット。四輪駆動の安心感が相乗し、ディアブロの追従を許さないペースで突き進む。
この続きは、ランボルギーニ 歴代4モデルを比較する(3)にて。