VWの資金で磨かれた技術 ランボルギーニ・ディアブロ ムルシエラゴ 歴代4モデルを比較する(2)

公開 : 2023.12.03 17:46

VWの潤沢な資金で磨かれた技術

インテリアも、ボディと同様に進化。乗降性は改善し、空間にはゆとりが生まれ、内装の設えはフェラーリ水準へ。アウディの部品が部分的に用いられ、品質も高かった。

スチール製スペースフレームと、ウィッシュボーン式のサスペンション、縦置きのV型12気筒エンジンなどは、ディアブロカウンタックに通じる要素といえた。それでも、潤沢な資金によって技術的には磨かれていた。

ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)
ランボルギーニムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)

ハニカム構造のカーボンファイバーが、シャシーを強化。ルーフとドア以外のボディパネルとフロアパンも、カーボンで成形された。

エンジンはドライサンプ化され、新しい可変バルブタイミング機構を獲得。排気量は6192ccへ増え、重心高は50mmダウン。コンピューター制御によるABSとトラクション・コントロール、四輪駆動システムが、579psの最高出力を受け止めた。

最高速度は331km/hへ到達。シャシー剛性はディアブロ VTから60%増しでありながら、車重は25kg増に留めた。

ムルシエラゴという名前も、ディアブロと同じく雄牛が由来。その牛は1879年のコルドバの闘牛場で、24回の攻撃を受けても戦い続けたという。

路上での印象は、数字以上に軽快。バイワイヤで制御されるスロットルは、従来のインジェクション・ユニットでは想像できない緻密さで、エンジンの回転を司る。6速マニュアルのシフトレバーも、思いのままにスライドできる。

ギア比のクロス感も絶妙。トルクカーブは唸るほどフラット。四輪駆動の安心感が相乗し、ディアブロの追従を許さないペースで突き進む。

この続きは、ランボルギーニ 歴代4モデルを比較する(3)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アーロン・マッケイ

    Aaron McKay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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