フォルクスワーゲン・ジェッタ2.0TDI SE
公開 : 2014.11.08 23:40 更新 : 2017.05.29 18:57
■どんなクルマ?
遡ること今年の4月、ニューヨーク・モーターショーでデビューを果たした、最新版フォルクスワーゲン・ジェッタ・サルーンを英国の道で試す。
かねてからわれわれは、この世代のジェッタの持つ特有のオリジナリティを高く評価してきた。そしてこのモデルは、細かいところを突き詰めることによって、さらなる評価を獲得しようとしているのである。
中でも目立つ変更点と言えば、エア・インテークの意匠変更、LEDデイライトなどが挙げられ、他には新しいインスツルメントや、新デザインのステアリングなども用意されている。
外観は相変わらず抜け目がなく、エアロダイナミクスはアップデート前から10%向上しているのだそうだ。
150psを発生する1.4ℓ TSIガソリンの他に、110psと150psの2.0ℓ TDIディーゼルが設定され、このうち110psのTDIが今回のテスト車両にも組み合わされる。中級グレードにあたる立ち位置で、トランスミッションは5速MT。英国内では最も売れるだろうと予想されている。
スタート-ストップ・システム、バッテリー回生装置、クルーズ・コントロール、エアコン、MP3などの外部入力対応のDABラジオ、タッチスクリーン・インフォテイメント・ディスプレイなど、決して大きくないサルーンにしては標準装備は豊富だ。
英国での価格は£21,425(391万円)となっており、この価格を考えてみるとスコダ・オクタビアなどのジュニア・サルーンなどが直接的なライバルとなるのだが、それだけではなく、£22,215(406万円)からとなる同門の現行パサートの領域にも踏み込むことになる。果たして結果はどうなるのだろう?
■どんな感じ?
運転してみた感覚は、アップデート前のモデルとほとんど同じだと言っていい。しかし先代の時点で、既に快適だったうえ、かなりの実用性を誇っていただけに、あまり変化していないことを責めるつもりは全くない。
キャビンにはゆとりがあり、エルゴノミクスは疑いようがなく素晴らしい。スイッチは手の届きやすいところにのみ配置されており、シート、アームレスト、ステアリング・ホイールを自分好みの位置に調整するのにも、ほとんど時間を要さない。
先述した2.0ℓ TDIエンジンは110psと25.6kg-mを発揮するおかげで、0-100km/hまでに要するタイムも11.0秒(公称値)とまずまずのもの。しかし高速道路で常用するような速度に至れば、やや力不足だと感じることもあった。ただ公道を周りのペースに合わせて走行する分には、これといって残念に感じることはなく、シフトダウンをしてやれば追い越し加速も十分に得ることができる。