モトコンポ懐かしい? 電動のホンダ・モトコンパクトに試乗 これは日本販売あるかも
公開 : 2023.11.22 11:45
大学構内での利用を目的として数十台単位で買っていくケースも
ちなみに山田さんは筆者が2019年のセマ・ショーのホンダ・ブースでお話を伺った方であった。4年ぶりの再会である。米国ホンダではマーケティング部門のマネージャーであり、モトコンパクトの開発チームメンバーであるという。
どんな人が買っているのか?モトコンパクトの特長やホンダ・ブランドの強みなどについても聞いてみた。
「企業や大学、レーシングチームなどが数十台規模で注文されることも珍しくありません。収納ケース部分はホンダのロゴさえ殆ど目立たないようにうっすら刻印されており、企業のロゴや大学のブランドマーク、インフルエンサーの方々はご自身のチャンネルのロゴを入れたり写真やイラストを入れたり楽しまれています」
「モトコンパクトは米国ホンダの四輪部門で開発が行われました。電動で排気ガスを出しませんから建物の中、インターファシリティでの移動に最適だと思っています。サスペンションがないので長距離の移動は自転車ほど快適ではないと思いますが、モトコンパクトの強みはどんな体型の方が乗っても安全で乗りやすいということです。コンパクトにボックス内に収めるため、ハンドルの高さなどは調整できませんが、体重265ポンド(約120kg)までの制限を多少超えても、フレームが曲がるなんてことは、まずありません。あらゆる体型の方に安心して乗れる設計であることを最重要として、各パーツの『黄金比』を生み出しました。重心も低くて足もつきやすく安定感は抜群です」
ついに試乗が実現 思わず笑いが込み上げてくる!
筆者は10月末からアメリカに滞在しており、アメリカにおけるモトコンパクト人気の噂は聞いていた。どこかで実物を見られないか? ディーラーにも何箇所か電話してみたが叶わなかった。
そして11月16日LAオートショーのプレスデーにて、ホンダブースを訪れたところ、同じ会場内で試乗ができることを知った。これは「超ラッキー!」と思い試乗会場に向かった次第である。
試乗場所はホンダとアキュラの展示ブースがあるホールの一番隅にあった。試乗に関する誓約書などにいくつかサインをして、いよいよ試乗。ヘルメット着用は任意だそうなので着用しないで乗ることにした。
他の試乗者と3台並んで操作方法を聞くが当然、早口の英語なので3割くらいしか聞き取れず。始動の方法が良くわからず、あたふたしていたら「キック!キック!」と言われたので、地面を蹴ってみるとスーッと走り出した。このような乗り物に乗るのは実に久しぶりで、自転車すら10年くらい前に遊園地で乗ったきりだ。
しかしなんだろうこの楽しさは? 初めての体験なのに安定感があってコントロールもしやすい。加速のパワーを感じるが怖さはない。思わず笑いが込み上げてくる。他に乗っている人を見たがみんな笑顔だ。
これは日本で販売となったらアメリカと同じか、それ以上の人気となりそうだ。ジャパン・モビリティショー2023では「日本での販売はない」と明らかにしていたが、実際はどうなのだろうか?
山田さんに聞いたところ「可能性はゼロではない」とのこと「今年7月の法改正に合わせた仕様変更を検討しています」と国内販売に向けたかなり前向きなお返事を頂いた。7月の法改正とはつまり特定小型原付としての販売を意味している。
時速20キロ以下に制御できて走行中は緑ランプを点灯、ナンバープレート(10センチ四方の正方形)を装着するなどの条件が揃えば免許もヘルメットも不要で車道を走行できるというものだ。
重心の高い電動キックボードはかなり恐怖を感じるが、座って乗れるモトコンパクトは異次元の安定感を体感できる。何よりボックスにコンパクトに収まって重量は17キロしかない。クルマに積んで出先での移動に使うには最適な乗り物と言えそうだ。ぜひとも日本発売を期待したい。