アウディSQ5
公開 : 2012.07.11 18:13 更新 : 2017.05.29 18:18
■どんなクルマ?
新しいアウディSQ5は、Sバッジをつけた最初のSUVというだけでなく、Sブランドとして初のディーゼル・モデルとなった。309bhp、66.2kg-mのツイン・ターボV6ディーゼルは、つい最近A6およびA6オールロードに搭載されたエンジンで、この秋にフェイスリフトを受けたQ5に合わせて、SQ5に搭載されることになったのだ。
■どんな感じ?
そのマルチ・シリンダーのディーゼルは確実にQ5を速いモデルに変えている。アウディの主張ではSQ5の0-100km/hが5.1秒とコメントしているが、このクラスで最速のBMW X3は6秒弱、その他のライバルが7秒台である。実際のところ、SQ5はそれほどまでに速いとは思えない。
確かに、きびきびとしたドライブが味わえるものの、短い間隔でシフトする8速オートマティック・トランスミッションに滑りが僅かに感じられ、それがパフォーマンスを少し殺してしまっている気がした。
そのシャシーはクアトロ社製ではなく、アウディ独自開発になる。高さを30mm低くして、スプリングとダンパーとアンチ・ロールバーを固くしている。キャンバー、キャスター&トー・アングルといったジオメトリーの変更はない。
われわれのテストした車両は、アウディのオプションのバリアブル・レシオのダイナミック・ステアリング・システムが付けられていたが、十分なグリップは持っているものの、そのハンドリング・レスポンスとフィードバックに物足りなさを感じた。確かに早く安定はしているが、ドライブ・セレクトは何を選べばベストなのかが判らなかったし、ステアリングの重さやダイレクト感が予測できない変化を示したのも不満だった。
また、乗り心地も満足のいくものではなかった。確かに、ロールはよく抑えられ、ノイズもほとんど遮断される。しかし、道に凹凸があると、ダンパーが落ち着かなくなるのだ。
BMW X3 xDrive 35dは、SQ5ほど精密なメカニズムを持っていないが、速いコーナーを物言わずこなしてしまう足を持っている。また、レンジローバー・エヴォークSD4は、レスポンスとコントロール性の良さは印象的だ。
■「買い」か?
優れたハンドリングを持つSUVを探しているのであれば、レンジローバー・エヴォークを、多少ギャンブルするのであれば、アウディQ3 RSを買うことをおすすめする。因みに、アウディQ3 RSはクワトロ社で開発されたモデルだ。
(マット・ソーンダース)
アウディSQ5
価格 | 43,015ポンド(530万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 5.1秒 |
燃費 | 13.9km/l |
Co2排出量 | 187g/km |
乾燥重量 | NA |
エンジン | V6 2967cc ツインターボ・ディーゼル |
最高出力 | 309bhp/3900rpm-4500rpm |
最大トルク | 66.2kg-m/1450rpm-2800rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |