Nパフォーマンスとは? ヒョンデ・アイオニック5 N スポーツEVのベンチマークへ
公開 : 2023.11.26 19:05
改良されたパワーエレクトロニクス/強化されたバッテリー冷却/ N回生ブレーキにより「レーストラック・ケイパビリティ」を実現
アイオニック5 Nは、様々な技術革新により高性能電気自動車として「レーストラック・ケイパビリティ」が際立ったとヒョンデは発表した。
すべては、ドライバーに究極のサーキット走行体験を提供するために設計された。心臓部は毎分2万1000回転という驚異的な回転数を誇るハイパワー電気モーター2つが搭載される。これらの電気モーターは、最高出力650psという圧倒的なパワーを発揮する。
このパフォーマンスをさらにスリリングなものにしているのが「Nグリン・ブースト」機能で10秒間、段階的にパワーをブーストし加速と興奮を高めるという。素早くパワフルな発進を実現するため、アイオニック5Nはトラクション・レベルを3段階に可能な「Nローンチ・コントロール」を搭載したことにより、ドライバーは常に理想的なスタートダッシュを切ることが可能という。
またサーキットでのパフォーマンスをさらに高めるため、ラップごとのバッテリー消費量を自動的に計算するシステム、トラック SOC(充電状態)を導入した。サーキット走行中、車両のパフォーマンスを監視・管理する必要があるドライバーにとっては貴重なツールだ。
ピーク時の電力効率を維持するため、アイオニック5 Nは高度なバッテリー熱管理を採用したという。過度の熱による出力劣化に耐えるように設計され、冷却エリアの拡大/モーターオイルクーラーの改良/バッテリー冷却器などを備えたシステムとなった。また、バッテリーと電気モーター用に独立した冷却ラジエーターを追加することで、過酷なサーキット走行条件下でも性能劣化が起こりにくくなったとヒョンデは語る。
車両のエネルギー使用量を細かく調整したいドライバーのために、Nレース機能も備えた。ボタン操作ひとつでドライバーはフルパワーの発揮を優先する「スプリント」モードと、ピークパワーを制限することでサーキットでの走行距離を伸ばす「エンデュランス」モードのいずれかを選択でき、正確なエネルギー管理と状況に応じた理想的なパフォーマンスを発揮することを可能とした。
また、サーキット走行へ対応する優れたブレーキ性能を実現するために、Nチューンド・ブレーキを採用した。4ピストンモノブロックキャリパーには、400mmのフロントディスクと360mmのリアディスクを組み合わせる。
これらコンポーネントには軽量素材が採用されるほか、空気を整流してブレーキの冷却効率を高める。通常は効率化のために利用される回生ブレーキシステムだが、Nブレーキ・リジェンはブレーキ性能を高めるために再構築された。
回生ブレーキが主な制動力を発揮し、機械式ブレーキは必要に応じて補助的に作動させることでサーキットにおける耐久性を確保し、最大0.6Gという減速力を誇り、制動力において新しい基準を打ち立てたという。