オンライン販売専業の韓国「ヒョンデ」 日本で定着したのか?

公開 : 2023.11.26 20:15

ヒョンデは、オンライン販売専業で日本市場に再参入しました。あれから1年9か月、この国に定着できるのか考えます。

KONA発表に各方面から注目集まる

お台場の東京ビッグサイトで東京モーターショー改め、第1回ジャパン・モビリティショーのプレスデーが終わった翌週、渋谷ヒカリエ内のカンファレンスホールに、多くの報道陣がつめかけた。

韓国のヒョンデが「KONA(コナ)」の日本導入に関する記者会見を開いたのだ。

ヒョンデのコンパクトSUV「コナ」のジャパンローンチが10月30日に開催。日本に導入されるのはEV仕様となる。
ヒョンデのコンパクトSUV「コナ」のジャパンローンチが10月30日に開催。日本に導入されるのはEV仕様となる。    AUTOCAR JAPAN編集部

KONAはヒョンデのグローバル市場向けのコンパクトSUV。初代は2017年に登場し、これまで累計23万台を販売したヒョンデの稼ぎ頭の1つだ。

2代目モデルは2023年3月に韓国でワールドプレミアし、日本を含めて北米や欧州でも同年11月から発売を始める予定だ。

ボディ寸法は、全長4355×全幅1825×全高1590mm、ホイールベースが2660mm。

日本にはEVモデルのみが発売されるKONAだが、その他の市場ではガソリン車などのラインナップがある。

EVまたは燃料電池車に特化した商品の訴求を進めているヒョンデとしては、KONAでも日本では“EVのみを設定”するのは、当然の流れだと言えるだろう。

近年、日本市場ではトヨタ日産スバル三菱などが軽自動車から上級モデルまでEVを投入しており、また中国のBYDの動きも気になるところだ。

そうした中、ヒョンデは今後も、オンライン販売専業という独自路線を貫くのか?

ヒョンデ 日本のみの試みとは

時計の針を少し戻すと、ヒョンデは2022年2月、日本への再参入を発表。以前、ヒュンダイブランドとして日本国内で販売を行っていたが、それから12年ぶりとなった日本再参入について、ヒョンデ本社の幹部は「過去の事案から多くを学んだ」という表現をした。

ヒョンデグループは直近の2022年実績で、自動車販売総数が約685万台で、トヨタグループ(1048万台)、フォルクスワーゲングループ(826万台)に次ぐ、世界第三位の自動車メーカーである。第四位はルノー・日産・三菱アライアンス(616万台)だ。

コナ・ラウンジ2トーンの展示車。ネオテリックイエローというビビッドな色も日本で販売する。
コナ・ラウンジ2トーンの展示車。ネオテリックイエローというビビッドな色も日本で販売する。    AUTOCAR JAPAN編集部

2000年代から2010年代にかけて、北米やインドで販売を伸ばしてきた。

そうしたグローバル企業であるヒョンデにとって、日本は「世界屈指の対応が難しい、チャレンジングな市場」という見解を示している。

そこで、ヒョンデが選択した事業戦略がオンライン販売専業という大胆な発想である。

新車のオンライン販売については、中国の大手ポータルサイトが自動車メーカー各社と連携し2010年代から事業化している。これは、中国内陸部などで“販売店がない地域に向けた考え方”が主体として始まったものだ。

中国の都市部においては、ヒョンデも実店舗を構えており、そこのオンライン販売の一部を採用すると言った形である。

日本でのオンライン“専業”は、ヒョンデとしても世界初となる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 撮影 / 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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