スウェーデン発の517馬力SUV 航続610kmのポールスター3へ同乗 BMW iXへ対抗
公開 : 2023.12.06 19:05
人工知能を用いた運転支援システム
最大の特長といえるのが、先進的なインフォテインメント・システムと運転支援システムだろう。5基のレーダーセンサーと5台のカメラ、12基の超音波センサーから得る情報を、エヌビディア社製CPUを搭載したコンピューターが、人工知能的に処理する。
より高機能な、レーザーを用いたライダーが追加される、パイロット・パッケージも2024年には選択できるようになる。専用のコンピューターと3台のカメラ、4基の超音波センサーで更に補強され、3Dスキャンを行い、自律的な運転を実現するという。
車内にもレーダーセンサーは備わり、子供やペットの降ろし忘れを防ぐという。万が一取り残されても、エアコンが自動的に動作し、炎天下での熱中症などを予防するという。
ドライバーの監視カメラも付いている。居眠りや、注意力が低下したと判断されると、音声で警告。反応しない場合は、自律的にクルマは停止するそうだ。
インフォテインメント・システムは、スナップドラゴン・コクピットという最新プラットフォームで動作。ダッシュボード中央には14.5インチのタッチモニターがあり、アンドロイドをベースとしたOSを実装。無線通信でのアップデートへ対応する。
インテリアは、持続可能性へ配慮。特定の認証を受けたレザーやウールなどの素材を用いている。パノラミック・ガラスルーフやLED照明などは標準装備だ。
驚くほど広い車内 不必要なほどに速い
今回、3のリアシートへ同乗させていただいたのは、アメリカ西部のロサンゼルス。EX90とプラットフォームを共有するだけあって、ボディは大きい。路上での存在感はかなりのものだ。
車内空間は驚くほど広い。天井の高さを食うガラスルーフを備えるものの、上下方向の余裕は大きい。前後方向にもゆとりがある。
車内は開放的で、内装素材の肌触りは上質。モダンなデザインで、高級感が漂う。ダッシュボードのタッチモニターがEX90と共通だとしても、表面的な素材が異なるため、ボルボに乗っているとは感じられない。
乗り心地は、ポールスターらしく硬め。現行の2とも共通する特徴といえる。エアサスペンションが組まれていても、大型SUVとしては引き締まっている。車重は、このクラスの電動SUVとしては平均的な範囲といえる。
ドライバーを務めたのは、テストドライバーのソフィアさん。0-100km/h加速5.0秒の実力を、快く体験させてくれた。実際のところ、子供のお迎えや買い物へ活躍するであろう、電動SUVには不必要なほど速い。
ツインモーターによる四輪駆動で、走りはとても敏捷。リアアクスルのトルクベクタリング機能は、テストルートでは試してもらえなかった。
3の開発は、殆ど完了している。今後数か月をかけて、最終的なハードウェアの微調整と、ソフトウエアのデバッグが進められるという。