楽しむのにパワーは必要か? 100馬力以下の名機 5選 速さにこだわらない「本質」とは

公開 : 2023.12.03 18:05

あえてベストを選ぶなら……

この5台の素晴らしいマシンから勝者を1台選べと編集者に言われた。なんて難問なんだ。四輪でないものを選んだらクビになるのだろうか? まあ、もしわたしがAUTOCARに二度と登場しないとしたら、それはトライアンフ・スラクストンRを選んだからだ。

飛行機も魅力的だったが、わたしはすでに速くて、しかもカンヌまで2人と荷物をノンストップで運べる飛行機を所有している。カシュートにはそれができない。トゥイージーはわたしには都会的すぎるし、美しいロータスはちょっと古すぎるかもしれない。もう少しパワーのある初期型7がいいと思う。

コリン・グッドウィン(筆者)とトライアンフ・スラクストンR
コリン・グッドウィン(筆者)とトライアンフ・スラクストンR    AUTOCAR

最終候補は、スマートとトライアンフのどちらかだった。わたしのバイク好きはすでに説明したとおりで、最終的にはそれが勝敗を分けた。

また、現代のバイクの性能を公道で楽しむことはまだ可能だし、ABSやトラクションコントロール、ライディングモードがあるとはいえ、高速で乗りこなすのは非常に難しい。それに、うまく頼めば妹がスマートを貸してくれるだろう。

というわけで、わたしコリン・グッドウィンが選ぶ5台のマシンを紹介した。でも、実はまだ他にも候補があるので、最後に「おまけ」として紹介しておこう……。

おまけ1. マッセイ・ファーガソンTE20

「グレイ・ファーギー」として知られるこの軽量トラクターは、1966年頃、わたしが農場を営む家族の友人の膝の上に座って、自分の手で操縦した最初の乗り物だった。現在も妻の叔父が所有しており、わたしはヨークシャーのリントンにある彼の地元のパブまで運転していく。

マッセイ・ファーガソンTE20
マッセイ・ファーガソンTE20

おまけ2. アルバトロスのスピードボート

水上でのスピードは、陸上の2倍に感じられる。アルミニウム製のアルバトロスは、フォードE93aエンジンや、最高速度80km/hを超えるコベントリー・クライマックスのエンジンを搭載できることから、水上のロータス6と言える。グレース・ケリーやブリジット・バルドーも所有していた。

アルバトロスのスピードボート
アルバトロスのスピードボート

おまけ3. レーシング・ホバークラフト

ホバークラフトレースはやったことがないが、とても楽しそうだ。わたしは詳しく知らないが、少し調べてみると、英国のホバークラフト・クラブにはフォーミュラ35という35psのクラスがあることがわかった。200psを超えるF1クラスよりは、初心者には理想的と言えそうだ。

レーシング・ホバークラフト
レーシング・ホバークラフト

おまけ4. ガスガス(Gas Gas)のトライアルバイク

トライアルバイクのエース、ドギー・ランプキン氏がグッドウッド・ハウスを走り回る動画を見たことがあるだろうか? すぐに見に行ってほしい。トライアルライディングは驚くほど楽しい。モータースポーツの中で、スピードの役割がこれほど小さいスポーツも珍しい。ガスガス(Gas Gas)は125ccから300ccまでのバイクを製造しているが、後者でさえ50ps以上はない。

ガスガス(Gas Gas)のトライアルバイク
ガスガス(Gas Gas)のトライアルバイク

おまけ5. ジョン・ディアX590芝刈りトラクター

我が家の芝生は爪切りばさみで切れるほど小さいので、乗用芝刈り機を所有するというわたしの生涯の野望は達成できそうにない。それでも、この22psのジョン・ディアX590は欲しい。ホンダも芝刈り機を作っているが、ちょっとホンダっぽすぎる。

ジョン・ディアX590
ジョン・ディアX590

記事に関わった人々

  • 執筆

    コリン・グッドウィン

    Colin Goodwin

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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