東欧が生んだ小型ハイブリッドSUV タフで扱いやすい実用車 約320万円以下から
公開 : 2023.11.30 18:25
・ルーマニアのダチアから第3世代となる新型ダスターが登場。
・48Vマイルドハイブリッド、1.6Lのストロングハイブリッドも設定。
・実用重視のタフなデザイン。欧州価格は320万円以下から?
ルーマニアから無骨なB-SUV登場
ルーマニアの自動車メーカーであるダチアは、コンパクト・ハイブリッドSUVの新型ダスターを欧州で発表した。2024年に発売予定で、「欧州市場で最もお買い得」なクルマになると謳っている。
ダスターは2009年に登場したBセグメントのコンパクトSUVで、新型は第3世代に数えられる。従来のB0プラットフォームは廃止し、ルノー・クリオ、日産ジュークなどに採用されているCMF-Bを採用。歴代で初めてハイブリッド・パワートレインに対応した。
ダチアによると、コンパクトなボディサイズを損なうことなく、実用性、洗練性、ダイナミクスが大幅に向上しているという。
1.6Lのストロングハイブリッドも搭載
パワートレインは3種類あり、エントリーモデルは最高出力100psの1.6L 4気筒のバイフューエルエンジンを搭載し、ガソリンとLPGを使用できる。それぞれ50Lのタンクを備え、両方を満タンにした場合、最長で1200km以上走行できるという。
48Vマイルドハイブリッドモデルは、1.2L 3気筒ターボガソリンと電気モーター、0.9kWhのバッテリーを搭載する。パートタイム四輪駆動により、ほとんどの時間を前輪のみで走行するが、トラクションの必要性に応じて後輪にパワーが振り分けられる。オフロード向けの走行モード「4×4ロック」では、前後のトルク配分を積極的に行う。
四輪駆動モデルの最低地上高は前輪駆動モデルより8mm高い217mmで、アプローチアングルは31度、デパーチャーアングルは36度である。
ストロングハイブリッドモデルでは、自然吸気の1.6L 4気筒ガソリンエンジンと2基の電気モーターを組み合わせ、合計出力140psを発生する。1.2kWhバッテリーと回生ブレーキ機能により、市街地走行の80%を電気のみで走行できるという。
ディーゼルエンジンはラインナップから外れた。「欧州ではディーゼルは死滅しつつあり、お客様はもはやディーゼルを望んでいない」とエンジニアリング担当幹部のジュリアン・フェリー氏は語っている。
タフな印象を強めた内外装
ドライブトレインだけでなく、スタイリングも大きく変更された。力強さを演出するバンパーやフェンダー、Y字型のライトシグネチャーを特徴としつつ、現行型よりも洗練された印象を与える。
アンダーボディやボディクラッディングは、リサイクル材を最大20%使用した耐久性の高い「スタークル(Starkle)」という樹脂素材で作られている。ダチアによると、新型ダスターで使われる樹脂の約20%がリサイクル材だという。
ボディサイズは全長4.34m、全高1.66m、全幅1.81mと現行型とほとんど変わらず、わずかにワイドになった。
インテリアも耐久性を重視したデザインで、カラーコントラストの際立つダッシュボードパネルや、物理ボタン付きのがっしりとしたステアリングホイールが採用されている。車載システムは無線でアップデートできる。
トランク容量は従来の445Lから472Lに拡大した。これはライバルのフォード・プーマ(456L)やスコダ・カミック(400L)を上回るものだが、パッケージングの工夫というより、全幅の拡大によるところが大きい。
新型ダスターの価格はまだ発表されていないが、同社のドゥニ・ルヴォCEOは2万ユーロ(約320万円)以下から販売すると約束した。