BMWが高性能の “次期M3” 投入へ 欧州で「iM3」商標登録 4モーターEV、2027年頃発売か

公開 : 2023.12.01 18:05

・BMWが欧州で「iM3」の商標登録を申請。M3の次世代EV版か。
・4モーターを制御する新開発の「ハート・オブ・ジョイ」とは?
・ユーザーはエンジン車にこだわっていない……? Mらしさはどこへ。

次期3シリーズの高性能EV「iM3」投入か

ドイツの自動車メーカーであるBMWは、欧州連合知的財産庁(EUIPO)に「iM3」の商標を申請したことが明らかになった。かねてから噂されていたM3の電動バージョンの車名と考えられる。

BMW 3シリーズの高性能版であるM3は、2027年頃に次世代EVモデルが登場する見込みで、「クレイジー」なシャシー制御ソフトウェアを採用し、現行モデルを「はるかに上回る」パフォーマンスを実現するとされている。

EVとなる次期3シリーズの高性能版は「iM3」を名乗る可能性がある。(編集部作成予想CGイメージ)
EVとなる次期3シリーズの高性能版は「iM3」を名乗る可能性がある。(編集部作成予想CGイメージ)    AUTOCAR

BMWの開発責任者であるフランク・ウェーバー氏が以前語ったところによると、次期M3はノイエ・クラッセ(NK)プラットフォームをベースとする次期3シリーズに続いて登場するという。今年9月に公開されたコンセプトカー「ビジョン・ノイエ・クラッセ」に、その姿を垣間見ることができるだろう。

ウェーバー氏は当時、記者団に対し「次のM3はバッテリーEVになるだろう」と明かしつつ、現行世代のガソリン車とは「一定期間共存」することになり、またそれは「必要なこと」だとも述べた。現在M3で使用されているS58型直列6気筒エンジンは、2030年以降も生産される予定である。

新制御システム「ハート・オブ・ジョイ」とは?

ウェーバー氏は、新開発の制御システム「ハート・オブ・ジョイ(Heart of Joy)」により際立った走行特性を実現し、ガソリンエンジンの不在に伴うキャラクターの喪失を緩和できるだろうと述べている。

「これは、過去20~30年にわたる当社の経験を1つの制御ユニットに集約したものです。走行性能関連、シャシー制御関連、パワートレイン関連のすべてが1か所に統合されています」

BMWビジョン・ノイエ・クラッセ・コンセプト
BMWビジョン・ノイエ・クラッセ・コンセプト    BMW

「クルマの制御方法の歴史が、ほとんどこの中に詰まっているのです。ソフトウェアは独自開発です。わたし達は、これで皆さんの好きなドライビング・ダイナミクスが実現可能だということをお伝えしたい。『究極のドライビングマシン(BMWのスローガンの1つ)』に興味をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、『ハート・オブ・ジョイ』にはクレイジーな機能が搭載されています」

ハート・オブ・ジョイは、ハイブリッドスポーツカーのi8で初めて採用された「神の手(Hand of god)」という制御システムの後継にあたるもので、4基のモーター・ドライブトレインを司り、状況に応じて各車輪への電力配分を調整する。ウェーバー氏は、最大1メガワット(1360ps)の総出力に対応できるとしたが、次期M3の性能目標については言及しなかった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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